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エベレストの7000m地点に、トイレを設置へ。中国側のキャンプ地。増加する登山者による汚染対策。回収した排せつ物は麓の農民の肥料に(各紙)

2019-04-15 11:10:00

Everestキャプチャ

 

   各紙の報道によると、世界最高峰のエベレストで問題になっている登山者による汚染問題に対応するため、海抜7000mの地点に、「環境に優しいトイレ」が設置される。エベレストの中国側のキャンプ地に設けられるもので、集められた排せつ物は容器に入れられて、運び起こされるため、キャンプ地での汚染を防ぐことができるという。

 

 AFPが新華社の報道として伝えた。エベレストは世界最高の標高8848mの高さを誇るが、最近は商業登山が盛んで、登山者だけでなく、ベースキャンプ地などへのツアーも展開されている。その影響で、登山者らが現地に、使用済みのテントや登山用具、燃料として使用したガスの空き缶、さらには滞在中の排せつ物等の廃棄物が山頂へと続く登山ルートを中心に散乱している。

 

 このため、ゴミ回収が現地での大きな課題となっている。今回、排泄物対策でトイレを設置するのは、中国側の海抜7028mのキャンプ地。設置するのは、中国の登山ツアー会社で、今春の登山シーズン中、チベット側の北稜ルートにトイレを設置する。中国の国営新華社(Xinhua)通信は「環境に優しいトイレ」と表現している。

 

そのうち、エベレスト山頂にも設置か?!
そのうち、エベレスト山頂にも設置か?!

 

 日本の山岳部などでは、木質チップなどを利用して微生物による排せつ物の分解処理をするトイレ等が設置されているところがある。ただ、極寒のエベレストでは微生物が稼働できないので、日本方式での分解処理は不可能。

 

 今回のトイレ設置に協力しているチベット登山協会副事務局長の説明によると、「便器の下にごみ袋付き容器」が設置してあるため、排せつ物を集めて運びやすいという。集められた排せつ物は回収されて麓まで運ばれる。

 

 回収された排せつ物は麓の農民らに肥料として供給されるというから、そのうち「エベレスト・ブランド」の農産物が販売されるかもしれない。

 

 また、7000mの地点だけでなく、下方の5200m地点にあるベースキャンプなどや、さらに標高の低い地点にあるキャンプ地では、観光客等も多いことから、すでに同様のトイレが複数設置されているという。

https://www.afpbb.com/articles/-/3220665?cx_part=top_category&cx_position=1