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米資産運用家が、世界最深部のマリアナ海溝の、さらに最深部に潜水艇で到達。世界記録を樹立。「見つけたもの」は、ポリ袋と数枚のキャンデーの包み(RIEF)

2019-05-20 17:36:22

Mariana1キャプチャ

 

   元米海軍士官で、現在はプライベートエクイティファンド運用者が組織した海底探検家が、太平洋南端のマリアナ海溝で、有人潜水艇での単独潜水の世界記録を立てた。深さ1万927mの海底で見つけたものは、4種の新種の生物と「ポリ袋1枚と、キャンディーの包みを何枚か」だったという。

 

 記録を打ち立てたのは、ビクター・ベスコブ(Victor Vescovo)氏のチーム。マリアナ海溝の中のさらに深部にあたるチャレンジャー海淵(かいえん)の潜水に挑んだ。ビクターさんらは、開発した潜水艇「DSV Limting Factor」に乗り込んで、3週間の間に4回の潜水を同海淵で試みた。

 

 このうち、5月1日の潜水で、1万927mの海底に到達した。これまでの世界最深部記録は1960年に米海軍同じ海淵で、記録した1万912mだった。また映画監督のジェームス・キャメロン氏は2012年に記録映画撮影で10908mまで潜っているが、この記録も上回った。

 

「世界記録」を打ち立てた潜水艇
「世界記録」を打ち立てた潜水艇

 

 ベスコボ氏らのチームが見つけた新種の生物4種は、生命の起源を探る手がかりになり得るものも含まれている、としている。同海淵には、それ以外にも、エビのような姿をした巨大な端脚類や、海底に生息するナマコなども見つかった。

 

 同時に、「生物の発展の頂点に達したはずの人類」が廃棄したプラスチックのポリ袋等が発見されたわけだ。探査チームは海底で見つけた生物についても、体内にプラスチックが蓄積されているかどうかを調べる検査を行うとしている。

 

 今回の潜水活動は、、米ディスカバリーチャンネルの番組撮影の一環として行われたという。同番組ではマリアナ海溝など世界の5大深海の探査を行っている。次回は8月に、まだ誰も海底まで潜ったことのない人類未踏の北極海のモロイ・ディープに挑む予定。そこでもプラスチックが見つかるかどうか。マリアナ海溝の深さは、世界最高峰エベレストの標高を上回る。

https://www.theguardian.com/world/2019/may/13/man-makes-deepest-ever-dive-in-mariana-trench-and-discovers-trash