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中国の昨年初めの廃プラ輸入規制後、世界の廃プラ取引は半減。ただ、日本は米国に続いて二番目の輸出大国の座を維持。グリーンピース東アジアの調査(RIEF)

2019-05-20 18:57:00

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 環境NGOグリーンピース・東アジアの調査で、2018年1月に中国が世界からの廃プラスチック輸入を禁止した後、2018年の世界の廃プラ輸出量が、2016年に比べてほぼ半減したがわかった。ただ、廃プラ輸出先は中国から東南アジアへ集中シフトし、輸出国ランキングでは日本が米国についで二番目に多い「廃プラ輸出大国」であることも改めて確認された。

 

 調査は、2016年1月から2018年11月までを対象として、廃プラの輸出入で上位を占める21カ国・地域の動向を調べた。その結果、全体の輸出量は2016年半ばから18年末にかけて、徐々に減少し、16年には毎月110万㌧だったのが、18年にはほぼ半分の50万㌧に減少した。輸入もほぼ同様の割合で減少した。総輸出量は2016年の1250万㌧から580万㌧へと減少した。

 

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 中国本土の輸入量は、2016 年の月60万㌧超から2018 年初め以降は月3万㌧へと、20分の1に縮小。その後は横ばいとなっている。ただ、 2018 年中でもまだ若干の輸入が続いている。たとえば、インドネシアからは月7000㌧、マレーシアから月6,000㌧、米国から月5500㌧、日本から月4000㌧を輸入している。

 

 中国に代わって廃プラの輸入を受け入れたのは、当初、マレーシア、タイ、ベトナムなどの東南アジア各国だった。ただ、これらの国でも、2018年半ばには輸入規制を強化したため、その後の輸入量は減少した。そこで、輸出国は、規制の緩いインド、台湾、韓国、トルコ、インドネシア等に輸出先を転じた。現在は、トルコ、インドネシアが多いという。

 

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 「中国規制以降」の輸出量の多い国は、米国(総輸出量の16.5%)、日本(15.3%)、ドイツ(12.6%)、英国(9.4%)、ベルギー(6.9%)の順。

 

 グリーンピース・東アジア、シニアキャンペーナーのケイト・リン氏は、「リサイクルシステムがプラスチック生産に追いつくことはできない。プラスチックの累積生産量のうち、現在は9%しかリサイクルされていない。プラスチック汚染に対する唯一の解決策は、生産量の削減。プラスチックを大量使用する主に消費財企業やスーパーなどの企業は、使い捨てプラスチックを削減し、詰め替えやリユース制度に移行する必要がある」と指摘している。

 

https://storage.googleapis.com/planet4-japan-stateless/2019/05/344da1a2-20190520_bp_pla_waste.pdf