HOME8.温暖化・気候変動 |米EPA、フラッキング問題でまた一歩後退(Reuters) |

米EPA、フラッキング問題でまた一歩後退(Reuters)

2012-04-04 19:31:31

汚染水で黒くなったという水フィルターを見せる農民(2009年9月17日、米ワイオミング州)
汚染水で黒くなったという水フィルターを見せる農民(2009年9月17日、米ワイオミング州)


【ワシントン2日ロイター時事】米環境保護局(EPA)はこのほど、テキサス州での頁岩層ガス(シェールガス)採掘で使用したフラッキング(水圧破砕)法が周辺の飲料水を汚染したとして、レンジ・リソーシズ社を相手取って起こしていた訴訟を取り下げた。フラッキング規制でEPAがまた一歩後退した。

 EPAは先週末、レンジによる掘削によってテキサス州パーカー郡の飲料水が汚染されたとの主張を取り下げた。EPAは訴訟で、レンジが汚染井戸を修復させるよう要求していた。

 この1カ月間でフラッキングをめぐる規制でEPAが後退したのはこれで3件目。その一つはワイオミング州パビリオン町近郊の井戸水汚染問題で、地下水にフラッキングで使われる化学品が含まれている公算が大きいとした当初のEPA報告草案に疑問が呈されて、EPAは州当局と改めて検査を行うとした。

 もう一つは、ペンシルベニア州ディモック町の11世帯の飲料水検査で、近くでのフラッキング法による天然ガス採掘によって汚染されたとするべき証拠はないと発表したこと。この町では、キャボット・オイル・アンド・ガス社が採掘を始めたあと水が嫌な臭いがする、と住民が2008年以降訴えている。EPAは60世帯の水の検査をするとしており、残りの49件については数週間中に結果を公表すると見られる。

 オバマ政権は、国内の豊富なシェールガスの生産を促進する一方で、環境保護団体などが水と大気を汚染していると批判している業界の規制も求められており、そのかじ取りは難しい。

http://jp.reuters.com/article/jpnewEnv/idJPjiji2012040300372