HOME8.温暖化・気候変動 |欧州、再び熱波に見舞われる。フランス・ボルドーで過去最高の41.2℃。ドイツでも40℃超え。仏EDFは原発の冷却水不足を懸念して、一部原発の停止準備に入る(RIEF) |

欧州、再び熱波に見舞われる。フランス・ボルドーで過去最高の41.2℃。ドイツでも40℃超え。仏EDFは原発の冷却水不足を懸念して、一部原発の停止準備に入る(RIEF)

2019-07-25 11:38:34

Europeキャプチャ

 

  欧州が再び熱波に見舞われている。24日、フランス南西部ボルドーで、41.2℃を記録したほか、ドイツ西部ガイレンキルヒェンでも40.5℃と、各地で40℃前後の高温が続き、各国とも観測史上最も高い気温を記録した。異常高温は25日も続く見通しで、各国当局は警戒を呼びかけている。世界気象機関(WMO)は、欧州を襲った熱波について気候変動の現れ、と指摘している。

 

 (写真は、25日の欧州の最高気温予想。多くの地区で、40℃前後が予想されている)

 

 熱波襲来の原因は、アフリカからイベリア半島を経由して欧州上空に進入した高気圧が西欧を中心にとどまっているためで、23日ごろから気温がぐんぐんと上がっている。

 

 仏ボルドーでの過去の最高気温は、2003年の40.7℃だった。24日はこの記録を0.5℃上回った。フランス気象台は、「25日はパリも過去の記録を更新して40℃台になる可能性が高い」と予報している。パリの過去最高気温は1947年の40.4℃。フランスでは2003年の熱波で、高齢者を中心に約1万5000人が熱中症等で死亡する事態が起きている。http://rief-jp.org/ct12/91199

 

 仏電力のEDFは、原発の冷却装置の維持に限界が生じないよう、南部トゥールズ地方にあるゴルフェッシュ原発の2基の原子炉を停止する準備をしていることを明らかにした。また同国では人気のツゥールドフランスの自転車レースが開催中だが、沿道では選手たちが熱波で疲弊しないよう、氷で足を冷やす装置や補給用水の追加等の準備が進められている。仏政府は、熱波の影響の強い地区において、午後1時から6時までの間、動物の散歩等を禁止した。

 

パリはまたもや猛暑に。
パリはまたもや猛暑に。

 

 独仏以外では、ベルギー北東部クライネブローゲルで39.9℃、オランダ南部アイントホーフェンで39.3℃等を記録した。先月の熱波で山火事が発生したスペインやポルトガルでは、再び山火事拡大のリスクが高まっている。スペイン政府は先月の山火事で被害を受けた東部のザラゴサ地区に再び山火事警報を出して警戒を呼びかけている。

 

 英仏ベルギーを結ぶ列車は、異常高温の影響で線路などに不具合を起こす可能性があるとして、徐行運転に切り替えた。また、ブリュッセル発ロンドン行きの高速列車ユーロスターはブリュッセル郊外で架線故障で立ち往生した。

 

 フランスでは6月に過去最高の46℃を記録したほか、ドイツ、ルクセンブルグ、ポーランド、チェコ、スロバキア、オーストリア、アンドラなどでも記録的な猛暑となった。http://rief-jp.org/ct12/91199

https://www.bbc.com/news/world-europe-49083283