グレタさん、ワシントン・ホワイトハウス前で「気候変動のための登校拒否(School Strike)」に参加。自分たちの運動への「ヘイト・キャンペーン」についても言及。「無視します」(RIEF)
2019-09-14 23:06:35
13日、米国の首都ワシントンのホワイトハウス前で、政府に迅速な温暖化対策の実施を求めて、若者たちが「登校拒否(School Srike)」を実施した。訪米中のスウェーデンの16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリ(Greta Thunberg)さんも参加、参加者に「決してあきらめないで。歩み続けよう」と呼び掛けた。グレタさんは、活動を批判する一部のヘイト・キャンペーンについても初めて言及した。
グレタさんは、予定されているワシントンでの6日間の滞在中、16日には国際人権団体アムネスティ・インターナショナルから人権活動に与えられる最高賞を授与される。18日には下院・民主党の招きで米議会で証言する予定だ。
グレタさんは、米国でも多くの若者たちの共感を得ている。同時に、グレタさんへの攻撃・中傷、ヘイト・キャンペーンも高まりつつある。
グレタさんは、CO2排出増加に加担することを嫌って、大西洋をヨットで横断して米国入りした。だが、帰りのヨットの乗組員たちが日程の関係で航空機で帰国したため「偽善」と叩くメディアも出現。グレタさんの一連の行動を政治勢力の陰謀と決めつけるネット情報もある。https://rief-jp.org/ct4/93281
こうした一種のヘイト・キャンペーンについて、グレタさんは、米紙でのインタビューで思いを語った。以下はその要約。
質問:「これまで多くの人々があなたの行動を称賛してきたが、一方で、多くの批判や辛辣な非難も受けてきた。これらの反応にどう対応しているのか」
グレタ:確かに多くのヘイト発言や、謀略説、嘲笑も向けられてきました。私への個人攻撃は気にしていません。なぜなら、こうした人たちは私の印象を悪くしたくてたまらない、ということを私は知っているからです。彼らが目論むように、私の言動が悪いことなら、気候変動運動自体が悪いことになってしまう。
彼らは、人の批判に時間を費やすより、もっといいことに時間を費やせるはずなのに、そうしないのは悲しいことですね。彼らは私たちが(現状の温暖化対策に不満で)声をあげてことを攻撃しています。そうした行動を脅威だと感じているのです。私たちの行動が実際に、人々に影響を及ぼしているからこそ、私たちを攻撃するのです。
質問:「あなたは、子どもたちや若者たちが、人々の関心を引いたり、ある人々には脅威を感じさせる温暖化問題を、議論することに、何か特別な意味があると考えていますか」
グレタ:子どもや若者が温暖化などの課題を議論することは、より大きなパワーとなります。なぜなら、われわれ子どもたちは、この問題を引き起こしたわけではなく、温暖化問題のように、人類の存在自体が問われる課題が発生する世界に、まさに生まれただけなのですから。
(温暖化の原因を作った)人々は、子どもたちから「あなた方は私たちの未来を奪っている」と問われ、罪の意識を感じるでしょう。それが大事なインパクトです。そうしたインパクトの広がりを望まない人々は、それらを話題にしないようにし、逆に攻撃したりする。しかし、われわれ若い活動家は、そうしたヘイトキャンペーンにさらされても、だれもが率直にこの問題を語り続けていきます。
質問:どうやって(ヘイトに)対応するのですか。
グレタ:ヘイトには応じません。もし、ヘイトに対して言い返したり、言いがかりに対して「そうじゃない。それは間違いだ」などと、説明したり、議論を尽くそうとすると、そのためにわれわれは自分の時間を無駄にすることになる。そうする代わりに、私は(ヘイトを)無視します。それらは私の関心を引くほどの価値もないのですから。
われわれの活動を中傷する人々は、われわれを批判し、そうした批判に注意を惹きつけ、私のエネルギーを無駄に費やさせようとするのが目的なのですから。