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サンフランシスコにグレタさんの巨大壁画が出現。12日に完成。人々をジッと見つめる。ご本人はスピーチ集を出版、印税は全額慈善団体に寄付(RIEF)

2019-11-10 22:47:14

 

 サンフランシスコ市内に、巨大なグレタ・ツゥーンベリさんの壁画が間もなく出現する。国際的に著名なペイント壁画アーチスト、Andres “Cobre” Petresellihe さんが、市内中心部にあるビルの壁面に制作中。縦約18m、横約9mという巨大さで、「モナリザ風」の微笑みをたたえている。12日にも完成する予定だ。

 

 一方、グレタさんは自身のツィッターで、11日に「No one is too small to make a difference」のタイトルの本を米国で出版すると公表した。「だれでも(人と)違ったことをやれる」との意味。

 

近く米国で出版されるグレタさんの本
近く米国で出版されるグレタさんの本

 

 彼女が国連気候行動サミットをはじめとして、これまでに各地で行ってきたスピーチを集めたものという。英語版以外の言語での翻訳本も、他国で出版の予定というから、日本でも間もなくのようだ。

 

 壁画はサンフランシスコ市内中心部のユニオン広場のNative Sonsビルディング側のMason Streetに面したビルの壁面で制作中。Cobreさんは10階建てのビルの壁面にぶら下げられたプラットフォームに乗って、壁のグレタさんと向き合っている。

 

 Cobreさんはアルゼンチン出身のアーチスト。スプレーによる吹付手法でポートレート壁画を生み出す。最近では俳優の故ロビン・ウィリアムズさんの壁画を市内のビルに描いたことで知られる。同ビルの改築で取り壊され、また話題を呼んだ。

 

もう少しで完成
もう少しで完成。それにしてもデカい。

 

 グレタさんを描くことになったのは、今回の彼女の訪米がきっかけではない。1年ほど前からの計画という。サンフランシスコを拠点とする環境NGO「One Atmosphere」 のメンバーが、ウイリアムズさんを描いた壁画を見て、Cobreさんに相談を持ち掛けてきた。

 

 グレタさんの壁画を見上げることで、気候変動問題を人々が日々の中で考えるようになれば、というのがOne Atmosphereの思いだった。壁画の制作にはほぼ10日間を費やすが、Cobreさんは制作費用は無償奉仕で引き受けた。Cobreさんが使用するペンキ代はOne Atmosphereが負担する。

 

 大きな壁画のグレタさんは、ブルーの瞳で、少し微笑んでいる風に見える。Cobreさんは「壁画を見る人々に期待したいのは、世界のために何かをしなければならないことを理解してくれることだ。さもなくば、われわれは絶滅(Extinction)の始まりに向かうことになる」と語っている。

 

壁画アーチストのCobreさん
壁画アーチストのCobreさん

 

 「壁画に込めたメッセージは、友達と会話のきっかけにしてほしいということかな。たとえば『グレタさんの壁画を見たかい?』『どんな意味なんだろう?』そこで気候変動に気付く、という風に」

 

 One Atmosphereの代表、Paul Scottさんは壁画のインパクトを語る。「人々が絵の下を通りかかると、彼らは絵のイメージに印象付けられるだろう。その印象が人々のハートを開き、人々はグレタさんが語っている言葉に強い確信を抱くようになるだろう。ウソと利己主義がルールかのように思われている現代において、彼女の声は、真実と自己犠牲について語りかけるものだ」

 

 12日に完成後、壁画が描かれたビル内にあるAugust Hallで、壁画完成を祝うコンサート等が開かれる計画だ。

https://oneatmosphere.org/art-celebrating-climate-activists