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英オックスフォード英語辞典が選ぶ「2019年の言葉」は『Climate Emergency(気候非常事態)』に。「Climate Change」よりも、より科学的な緊急性と重要性を伝える(RIEF)

2019-11-25 08:15:35

OXfordpress2キャプチャ

 

  英国の「オックスフォード英語辞典」を出版するオックスフォード大学出版局は、2019年にもっともよく使われた「言葉」として、「Climate Emergency(気候非常事態)」を選んだ。同言葉は前年に比べて100倍以上もメディア等で使用された。「Climate」に関する言葉は、Climate Change 、Climate Crisis、Climate Strikeなど多数登場した。

 

 Climate の言葉は、2019年全体で中心的な言葉だったことは間違いない。特にEmergency は今年の特徴といえる。昨年使われたEmergencyの言葉は、Health Emergency、Hospital Emergency、Family Emergencyなど、個人や家族の健康問題の課題を指す言葉として登場した。

 

 これらの個人・家族関連のEmergency問題は各国ごとに問われる課題だが、Climate EmergencyはグローバルレベルのEmergencyとして使われた。統計的にも9月までの前年比使用率は10796%(100倍)で、Eco-Anxiety(4291%)、Climate Crisis(2510%)、Climate Action(266%)などを大きく上回った。

 

「Climate Emergency」の言葉の頻出度の推移
「Climate Emergency」の言葉の頻出度の推移

 

 Climate Emergencyが急速に使われるようになったきっかけは、英紙Guardianが5月に従来、使っていたClimate Changeに代えて、Climate Emergencyを使うようになったことが影響しているという。Climate Change の影響をより広範に示す意図で切り替えられたという。

 

 Guardianの編集長Katharine Viner氏は「われわれは、科学的により正確な用語を使い、読者に伝えたいと思っている。Climate Change は、科学者が人類への壊滅的影響について語る場合、受け身的でかつやや優しい響きがある」と語り、気候変動の緊急性と影響の厳しさを伝えるため、ChangeからEmergencyに切り替えたとしている。

 

気候変動の「緊急性」を国連で訴えたグレタさん。
気候変動の「緊急性」を国連で訴えたグレタさん。

 

 11月初め、米出版大手ハーパー・コリンズの英国法人の英英辞書「コリンズ」編集部には「コリンズ英語辞典」は、グレタ・ツゥーンベリさんが提唱して世界中の若者に広がった地球温暖化対策を訴える抗議デモ「気候ストライキ(Climate Strike)」を、2019年の「Word of the year」に選んでいる。https://rief-jp.org/ct12/95823

 

 https://languages.oup.com/word-of-the-year/word-of-the-year-2019?utm_campaign=woty&utm_source=publicity&utm_medium=email&utm_content=press-release