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国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)始まる。国際NGOが石炭重視の日本とオーストラリア、ブラジルの3カ国に初日の「化石賞」贈呈。「化石派『3国同盟』」の位置づけ(各紙)

2019-12-04 13:39:29

COP25キャプチャ

 

 スペイン・マドリードで始まった国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)に参加している国際NGOのネットワークCANは、温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」を、日本、オーストラリア、ブラジルの3カ国に贈った。

 

 (写真は、「化石賞」を受け取った右から、ブラジル、オーストラリア、日本、いずれも各国のNGOメンバーが、大統領や大臣の代わりに受け取った)

 

 オーストリアのモリソン首相、ブラジルのボルソナーロ大統領の二人は、温暖化問題に懐疑的な姿勢で国際的に知られる。この2カ国と並んで日本が選ばれたのは、グテレス国連事務総長がCOP25開幕時に、各国に向け温暖化対策の強化と石炭火力発電の利用を停止を求めた翌日に、梶山弘志経済産業相が閣議後の会見で「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」と述べたため。

 

 COP25のしょっぱなから、「温暖化対策に消極的な日本」をアピールした形の梶山経産相。NGOから「化石派3国同盟」の評価を得た形でもある。石炭火力発電に固執する国内の既存電力会社や、オーストラリア、米国等の石炭鉱山開発業者からは、賞賛の拍手をもらったかもしれない。

 

 CANが選ぶ「化石賞」は、COPの会期中、温暖化対策に消極的と評価される国や地域を毎日選んで、皮肉をこめた賞を贈っている。3日は最初の選考日。日本は毎年のCOPで、「化石」扱いされる常連国だ。無論、賞は梶山経済産業相を個人的に皮肉るものではなく、石炭火力発電を基盤電力とする安倍政権のエネルギー政策への批判だ。

http://www.climatenetwork.org/fossil-of-the-day