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フクシマへの祈り~チェルノブイリ博物館で「福島展」開催中(レイバーネット) 「チェルノの教訓」を生かせなかったことに、同地の人々は悔しさ

2013-08-31 19:42:30

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Chornobyl083008ウクライナのキエフにあるチェルノブイリ博物館において、本年7月から12月まで、「福島展」が開催されています。この特別展は、キエフ在住の宮腰由希子さん、来日経験をもつアンナ・コロレフスカ同館副館長、そして双方の市民らの努力によって実現しました。3・11福島第一原発の事故以降、ウクライナの若者に加えて、日本からの来館者も増えています。[報告:佐藤和之(佼成学園教職員組合)]

【家族は一つに暮らしたい(写真)】http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/64627746.html
【福島展公式ブログ(詳細)】http://fukushimaten.livejournal.com/
【チェルノブイリ博物館(場所)】http://chornobylmuseum.kiev.ua/index.php?lang=en

 

<チェルノブイリ博物館「福島展」の目的>

 

福島第一原発事故より以前、1986年4月26日、チェルノブイリ原発事故の悲劇がウクライナで起こりました。チェルノブイリでの悲劇をもう二度と人類が繰り返さないよう平和への祈りを込めて、1992年、ウクライナの首都キエフに、『チェルノブイリ博物館』が設立されました(96年には国立博物館として登録された)。

原発事故で失われた命、被災者、原発作業員、忘却の彼方に消えて行った美しい村々らを追悼し、事故を風化させず、人々の記憶に留めておくために建てられた博物館です。中には、原発被災者の写真、当時の事故を伝える新聞記事、原発作業員らの記録、強制移住の様子や帰還のした人たちの写真や手記など約7000点の生々しい証拠が展示されています。人々の平和を願う強い思いに応えてか、毎年7万人以上の訪問者が世界中からやってきています。

このチェルノブイリ博物館で、今年2013年6月から建物の一階全体を使って『福島展』を開催することになりました。福島の原発事故の現状や住民の日常、避難した人も留まる人も愛してやまない福島の美しさや伝統文化を広く紹介したいです。そして、それらの展示物を通して世界中から訪れる来館者に、チェルノブイリの人々が抱えていた同じような問題や苦悩を福島の人々が抱え、克服しようとしていることについて知ってもらい、1人ひとりに今なにができるのかを考えてもらうきっかけにしてもらいたいのです。

チェルノブイリの人々は、福島の事故をテレビで見て、祈るような思いと共に、チェルノブイリの教訓を活かしてもらえなかったという悔しい思いも抱いています。だからこそ、チェルノブイリ博物館は世界に向けて福島を紹介し、平和を訴える役目を今度こそ担いたいのです。原発事故は確かに悲劇ですが、その悲劇を乗り越えてきたウクライナの人々が日本の人々の力になり、希望を持てる未来を一緒に作っていきたいと願っています。この福島展をきっかけとして、チェルノブイリと福島の友情が芽生え、交流が盛んになることも期待しています。

 

http://www.labornetjp.org/news/2013/0830kiefu