福島県・鮫川村の除染廃棄物仮設焼却施設で爆発事故、「連絡ない」と住民抗議 メディアも報じず(alterna)
2013-09-01 18:24:14
環境省が除染廃棄物などの焼却、減容化実験を行うため、福島県鮫川村に設置した仮設焼却施設で29日午後2時半ごろ、大きな爆発音とともに装置の一部が破損する事故が発生した。(オルタナ編集委員=関口威人)
同省によると、事故は焼却炉から灰を取り出すためのコンベヤーで起こり、コンベヤーを覆う金属製の囲いが長さ約3メートルに渡って裂けるように破損。けが人はなく、周辺の放射線モニタリングポストの値にも変化はなかった。発生時にはコンベヤー内部に灰がない状態で、外部に灰が飛散した形跡は見られないという。
しかし、鮫川村や隣接する塙町などの住民は「事故の状況についてまったく連絡や説明がなかった。あれだけ安全を強調しておきながら住民の安全確保もままならない事業はただちに中止するべきだ」と30日朝、村を通じて環境省に要請した。
施設は今月19日に本格稼働したばかり。1キロ当たり8000ベクレルを超える放射性物質を含む稲わらや牧草などを平日の午前8時から午後5時まで、傾斜回転床炉という特殊な構造の焼却炉で燃やし、灰をセメント固化して一時保管する事業。爆発は焼却炉本体からセメント固化装置の間で発生、詳しい原因は調査中だという。
村によると、役場への第一報は「焼却炉で爆発があったのではないか」という住民からの問い合わせだった。役場からプラントメーカーである日立造船の担当者の携帯電話につながり、「事故があって対応中」との報告を受け、役場職員2人を現場に派遣。午後4時と6時に放射線量を計測し、変化がないことを確認したという。
一方、環境省は役場の問い合わせに対し直後は「一報が入ったばかり」と答え、午後3時半ごろに「コンベヤー付近で大きな異音がした。原因は究明中」などと説明。同省から地元の消防や周辺市町に連絡したというが、報道発表は午後7時過ぎ。テレビニュースで事故を知った住民がほとんどだったらしい。
同省廃棄物・リサイクル対策部指定廃棄物対策チームは「早急に原因を究明し、まず村や監視委員会に説明したい。再稼働は現時点で未定」としている。
施設は着工後に住民説明会が開かれ、地権者の一部は同意書に判を押したことがないとして環境省などを相手に告訴状を提出するなど、住民の強い不信を招いていた。
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