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福島原発沖20km圏 ババガレイなど底魚で基準超過のセシウム相次ぎ検出(FGW)食物の”汚染連鎖”進む

2014-05-17 19:39:11

ババガレイ
ババガレイ
ババガレイ


東京電力が公表した福島第一原発沖20km圏での魚介類の放射能汚染調査によると、ババガレイから176ベクレルの基準超過セシウムが検出されたほか、コモンカスベやマコガレイなど底魚のセシウム濃度の高さが目立った。食物連鎖で大型魚、底魚に汚染が蓄積されていることを物語る。

 

今回の調査は、4月12日~25日の間、福島第一原発から20km圏以内の海域での魚類の放射能汚染度を調べた(福島第一原発隣接港湾内を除く)。その結果、福島第二原発沖2kmで捕獲されたババガレイから最高の176ベクレルが検出されたほか、木戸川沖2km付近のコモンカスベ129ベクレル、同付近のババガレイ106ベクレルなどの基準超過の汚染魚が見つかった。

 

また第二原発10km沖付近で、食品基準の100ベクレル(1kg当たり)以下だが、94ベクレルの比較的高いレベルを示したマコガレイを捕獲、12件に上った”準汚染魚”(50ベクレル~100ベクレル未満)のうち、多くが大型のコモンカスベや底魚のカレイ類だった。

 

福島沖の放射能汚染魚類は、事故当初はコウナゴやシラスといった海の表層を泳ぐ小魚の汚染度が目立った。海の表層の植物性プランクトンを食べる魚類の放射能汚染から、1年以上たつと次第に、カレイやアイナメ、メバルなどの底魚のセシウム濃度が高くなった。いったん海中に拡散したセシウムは、まず小魚に吸収され、次いで小魚が中型魚、大型魚などに食べられる形の食物連鎖で汚染が広がる。

その過程で、魚の排泄物や死骸などが海底に沈殿し続け、エビ・カニなどの甲殻類のほか、海底付近で暮らすカレイなどの底魚に蓄積されるという展開になる。いったん海底に沈殿したセシウムはそこから浮上することがないため、その濃度は高止まりする傾向があるとされる。

 

今回の調査では福島第一原発沖よりも、南側にある第二原発沖での底魚から高濃度のセシウムが検出されており、海流の影響なども加わっているとみられる。いずれにしてもカレイやコモンカスベ、アイナメ、メバルなどの底魚には気を付ける必要があるといえる。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/f1/smp/2014/images/fish02_140516-j.pdf