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福島県民健康調査 甲状腺がん、新たに子供4人、合計5人に。がんの疑いも10人に増加。顕在化する子供への影響(各紙)

2015-05-19 10:58:11

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fukushimafadfd14f14c8fcb4f640f209e572136c福島県が福島医大は18日、東京電力福島第一原発事故による県民健康調査検討委員会を開き、事故後の1巡目の甲状腺検査では問題ないとされた子供のうち、昨年4月からの2巡目の検査で新たに4人が甲状腺がんと診断され、がん確定は合計5人となったた。

 

また2巡目検査で「がんの疑い」と診断されたのは前回報告から3人増え、10人になった。2巡目検査は38万5000人を対象とし、3月末までに12万人分の検査結果が確定した。がん確定、がんの疑いも増加しているが、検討委の星北斗座長(福島県医師会副会長)は「現時点で『放射線の影響は考えにくい』というこれまでの評価を改める必要はない」と説明している。

 

星座長の説明は、これまでも一貫して「放射線の影響は考えにくい」としているが、それでは甲状腺がん、およびその疑いが増加している原因は何なのかという説明はしていない。明確な原因についての断定ができず、いろんな要素があり得る中では、「放射線の影響を否定できない」というのが、正しい説明の仕方だろう。専門家がこうした「政治的な発言」を繰り広げていることが、放射線の影響についての国・県・東電への不信感を払しょくできない最大の原因である。
福島医大によると、がんや「がんの疑い」と診断された合計15人は東電福島原発事故当時6~18歳だった男女15人。確認された腫瘍の大きさは5.3~17.3mm。うち9人は、原発事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、最大は2.1mmシーベルトだった。それぞれ福島、伊達、田村、浪江、南相馬、大熊、二本松の各市町に居住していた。検討委では、1巡目のがんを見逃した可能性などが指摘された。
1巡目の検査は、事故当時18歳以下の対象者約37万人のうち約30万人が受診した。3月末現在で99.9%の検査結果が確定したことになる。このうち甲状腺がんと診断されたのは98人で、昨年末時点の86人から12人増えた。2巡目の検査では、事故後の1年間に生まれた子供も加えて実施している。