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福島県漁連が原発建屋周辺の井戸からの浄化地下水の海洋放出容認。東電の汚染水対策、進展へ。福島産魚類への不信感払拭がカギ(各紙)

2015-08-07 18:35:59

fukushimafishmanキャプチャ

福島県漁業協同組合連合会(県漁連)は7日、同県いわき市内で拡大理事会を開催、東京電力福島第一原発の汚染水低減策として、建屋周辺の井戸「サブドレン」などからくみ上げた地下水を浄化して海洋に放出する東電の計画を了承することを決めた。

 

 これまで地下水放出に難色を示してきた県漁連が計画受け入れに舵を切ったことで、同原発の廃炉に向けての課題である汚染水対策が前進することになる。

 

 汚染水問題は、東電が事故後原発からの汚染水が長期間にわたって港湾外に流出していたことを公表していなかった問題が今年2月に発覚、漁業者の反発を招いていた。このため東電は5月から、漁業者向け説明会を複数回にわたって開くなどして計画への理解を求めていた。国の原子力規制委員会は今年1月に計画を認可していた。

 

 理事会終了後、県漁連の野崎哲会長は「計画は廃炉を安定的に進めるためのもので、福島県の漁業本格再開に寄与すると判断した」と海洋放出受け入れの理由を説明した。同時に、漁協では、国・東電に向けて、風評被害対策の取り組み強化、海水、魚介類の放射線量の確実な低減、排出基準の厳守-などを求める要望書案をまとめた。要望書案については、11日に開く傘下漁協の組合長会議で了承を得た上で、国と東電に提出する。

 

 第一原発の原子炉建屋には1日約300㌧の地下水が流入、建屋で汚染水となって貯蔵タンクに移送されている。こうした地下水流入の低減策として「凍土遮水壁」の建設を進めるとともに、サブドレン汚染水の浄化計画の実施で、流入量は同約80㌧にまで減らせるとしている。