HOME13 原発 |東電福島第一原発2号機 原子炉内核燃料の70~100%が溶融の可能性 名古屋大・東芝の共同研究チームが調査結果まとめる。圧力容器外に漏れ出ている場合、廃炉作業は不可能に(各紙) |

東電福島第一原発2号機 原子炉内核燃料の70~100%が溶融の可能性 名古屋大・東芝の共同研究チームが調査結果まとめる。圧力容器外に漏れ出ている場合、廃炉作業は不可能に(各紙)

2015-09-28 01:05:34

nagoyadaiキャプチャ

 各紙の報道によると、宇宙から降り注ぐ宇宙線「ミュー粒子」を使って東京電力福島島第一原発2号機の中を調べている名古屋大学と東芝の研究チームは、原子炉内の核燃料の70%~100%は溶融している可能性が高いことを突き止めた。

 

 溶融した核燃料が、圧力容器内にどの程度、とどまっているかは、現時点では、圧力容器底部の観測精度が低いため、判断できないという。仮に、地震の影響で圧力容器底部の破損が大きく、融けた核燃料が漏れ出していると、地中深く浸透している可能性もある。

 

 もしそうだとすると、地中深くに浸透した高濃度放射性物質の除去はまず不可能で、廃炉作業にも影響してくる。福島第一原発1~4号機は廃炉が決まっているが、底部に膨大な核燃料物質が浸み出しているとすると、廃炉作業は極めて難しくなる。

 

 ミュー粒子は、岩盤1kmでも透過するような非常に高い透過力を持つ。調査はミュー粒子を観測できる特殊なフィルムを使った観測機材を2号機に設置し、原子炉圧力容器の周辺を透視。一方で、炉心溶融していない5号機も観測対象として結果を比較、記録されたミュー粒子の飛跡を名古屋大が独自開発した高速読み取り装置で読み出し、データ解析を行ってきた。

 

 今年3月時点での研究では、2号機の透視画像の炉心内の物質量は5号機より有意に少ないことまでは分かっていた。今回、その溶融率が70~100%と際めて高いレベルであることが確かめられた。