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東北電力・女川原発 9月下旬に外部電源停止で2度の停電 地元連絡は事故後9日たってから。「報告は義務付けられていない」と東北電力(各紙)

2015-10-14 16:14:33

onagawa1キャプチャ

 各紙の報道によると、東北電力は13日、東北電力女川原子力発電所1号機(宮城県女川町、石巻市)で9月下旬、外部電源が失われ非常用発電機が作動するトラブルが立て続けに2度発生していた、と発表した。しかし、周辺自治体への連絡は大半が9日もたってからだった。

 

原発の外部電源が2日間で2度停電した通知は、立地自治体の女川町には発生当日に東北電から連絡を受けた。しかし、それ以外の周辺自治体に対しては、石巻市への連絡が発生9日後の今月8日。4月に東北電と安全協定を結んだ女川原発30km圏内の登米市や美里町など5市町への連絡は、トラブルから二週間後の13日になった。

 

 石巻市の担当者は「非常用電源が入ることは簡単な事象ではない。早く連絡をもらわないと市民を守れない」と東北電に改善を求めた。美里町の担当者も「東北電が情報を隠せば町は何もできない。迅速な情報提供を期待する」と指摘している。

 


 東北電は、国には発生当日に連絡した。だが「法令で報告が義務付けられているトラブルではない」として、周辺自治体を含め、一般には13日まで公表しなかった。「停電ぐらい」という意識が、組織全体から伝わってくる。周辺自治体が過敏なのか、東北電が鈍感なのか。

 

 4年半前の東京電力福島第一発電所の事故の教訓を、安全対策、地元をはじめとする外部とのコミュニケーションに十分に反映しているといえないことだけは、確かだ。

 

 発生当日、連絡を受けた女川町でも、それで納得したわけではない。同町の担当者は「安全措置が欠落したヒューマンエラーに起因する。重く受け止め、改善してほしい」と指摘している。


http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151014_13026.html