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東電福島原発北西地域への放射能汚染拡大 3号機のベントが一因か。日本原子力研究開発機構の分析(各紙)

2015-10-20 15:38:03

fukushimahokuseibuキャプチャ

 各紙の報道によると、2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故の影響を調べている日本原子力研究開発機構の分析の結果、原発北西側の浪江町、飯館村などの地域が高い放射性物質の汚染を受けたのは、3号機からの放出が一因だったことがわかった。

 東京電力は、原子炉事故後、3号機の原子炉格納容器の圧力を下げるために、ベント(排気)を実施して、放射性物質に汚染された内部の空気を放出した。これによって3号機の爆発は防げたが、その結果、周辺地域の汚染に影響した可能性があることになる。原発事故時のベント対応の是非が改めて議論を呼びそうだ。

 

 当初、事故時に原発北西側の地域に広がった汚染の原因は、2号機の格納容器が破損して放出された放射性物質によりものと考えられていた。原子力機構はコンピューターによる解析などで調べたところ、福島県浪江町など約20kmまでの範囲の汚染に、3号機のベントからの放射性物質の拡散がかかわっていたことがわかった。

 

 3号機では同年3月15日夕に格納容器の圧力を下げるためのベントを実施したことから、この際に大量の放射性物質が外部に放出され、風向きによって北西部に流れたとみられる。原子力開発研究機構の指摘に対して東電は、「(3号機の)格納容器上部に生じた隙間から放出された放射性物質が量としては多いと考えている」として、放射性物質を一定程度除去するベントより、格納容器からの直接的な放出の影響が大きいとの見解を示した。