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福島避難支援の警官・消防職員・自衛隊員ら 基準値上回る被爆者38%、約1100人(各紙)

2015-10-27 18:04:48

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   各紙の報道によると、内閣府は東京電力福島第一原発事故後に同原発敷地外で活動した警察官、自衛官、消防職員約3000人の被曝線量の分析結果を公表した。約38%が1ミリシーベルト以上で、一般の人の被曝線量限度(年間1ミリシーベルト)を上回った。最高値は自衛官の10.8ミリシーベルトだった。

 原発の敷地外で住民の支援などをした自衛隊員らの詳細な被ばく調査は初めて。原発事故が発生した際、住民避難を担うバス運転手らの被ばく対策を議論する検討会で、内閣府がデータを示した。

 

 調査対象期間は、原発事故翌日の2011年3月12日から3月31日まで。原発20km圏内で避難誘導や救出、物資輸送などを担当した警察官、消防職員計167人、自衛官2800人の線量計データをまとめた。

 

 その結果、一般人の被爆線量限度の1ミリを下回ったのが全体の62%、1ミリ以上2ミリ未満が19%で、5ミリ以上は10ミリシーベルトは5%だった。5ミリ以上は全員が自衛官。約1100人が該当する。

 

 警察官らは、使えなくなったオフサイトセンターの整理や野営などの活動をした人が含まれている。消防職員や警察官らは、原発作業員に準じて緊急時は100ミリが被爆の限度とされているが、今回の調査では、これを上回る人はいなかった。

 

 一日当たりの被ばく線量は3月15日ごろまでが高く、同18日以降は0.1ミリシーベルトを下回っていた。

 

 敷地内で作業にあたった人についてはすでに実測値が明らかになっている。東電社員らの被曝線量(2011年3月分)は平均12・57ミリで、最高670・36ミリ。上空や地上で放水作業にあたった消防職員の最高は29・8ミリだった。住民については、福島県の調査で4カ月間の平均0.8ミリ、最高25ミリと推計されている。

 

 国は今後事故が起きた場合、バスの運転手など民間人らの被ばく限度を1ミリシーベルトにする方針。原発がある地域のバス協会などは1ミリシーベルト以上の被ばくに難色を示しているが、内閣府は調査結果により「作業工程や被ばく管理を行うことで1ミリシーベルト以下に低減できる可能性が示された」としている。

http://www.cao.go.jp/council.html