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福島県 原発事故後の子どもへの影響調査 「甲状腺がん」および「がんの疑い」の患者が152人に達する(RIEF)

2015-12-01 17:20:43

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 福島県と福島医大は30日、東京電力福島第一原発事故時に子どもだった県内の甲状腺がん確定患者が9月末現在で15人となり、がんの疑いも24人で合計39人となったと発表した。先行検査でがん等が確定した患者と合わせると、152人に達する。

 

 甲状腺検査は、子どもの甲状腺の状態を把握するため、2011年10月から実施された1巡目の「先行検査」と、14年4月に開始し原発事故の影響を調べる2巡目の「本格検査」がある。今回の検査は2巡目の検査として14,15年度に実施した。30日に開いた福島県民健康調査検討委員会で公表された。

 

 検査では、事故直後から3年目までの1巡目検査と、昨年4月から始まった2巡目検査の結果を比べて放射線影響などを調べた。いずれも1次検査で超音波で甲状腺のしこりの大きさなどを調べて、程度の軽い方から「A1「A2」「B」「C」に4区分の判定をし、BとCと判定された場合に、血液や細胞を詳しく調べる2検査を行った。

 

 がんおよびがんの疑いと診断された人は、6月より14人増えた。このうち37人は第一巡目の検査では問題ないと診断されていた。39人はいずれも東電事故時は6歳から18歳までの年齢層だった人で、男性16人、女性23人。

 

 地域別では、郡山市が10人で最も多く、次いで、福島市8人、伊達市7人、南相馬市3人等となっている。

 

 福島医大によると、今回がんやガンの疑いと診断された39人の腫瘍の大きさは5.3~30.1mm。このうち23人は、原発事故から4カ月間の外部被ばく線量が推計でき、最大は2.1ミリシーベルトだった。

 

 同委員会が12,13年度に実施した先行検査の追加結果も報告された。それによると、甲状腺がんと確定した人は6月より5人増え、100人だった。今回の検査結果と合計すると115人で、ガンの疑いは37人、合わせると152人に達する。

 

 しかし、星北斗座長(県医師会副会長)は「(これまでの傾向などから)現時点で放射線の影響は考えにくい」との従来どおりの見解をあらためて強調した。

 

 100人以上ものがん患者が発生しているにもかかわらず、検討委員会が「放射線の影響は考えにくい」と繰り返す理由として、同委は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に比べて、東電福島原発事故の場合、被爆線量が少なく、チェルノブイリで多く見つかった5歳以下の子どもからはガンが見つかっていないことなどを指摘している。

 

 ただ、委員からは「甲状腺がんと診断された子どもの内部被ばく線量を詳細に調べるべき」などの意見も出た。

 

http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-21.html