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中部電力浜岡原発5号機 海水流入で腐食の圧力容器「継続使用可」 中電、浜岡原発5号機評価

2015-12-16 22:27:45

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 中部電力は15日、原子炉内に大量の海水が流入し、機器に腐食の発生が確認された浜岡原子力発電所5号機について、原子炉圧力容器と炉内構造物は「健全である」とする報告をまとめ、公表した。

 

 静岡県御前崎市佐倉にある浜岡原発は、東日本大震災の2か月後に、原子炉内に大量の海水(400㎥)が流入し、水びだしになった。この影響で、原子炉内の圧力容器の内張り材(厚さ4mm)が腐食、サビが発生していることが確認された。

 

 中部電力は調査の結果、炉内構造物のうち、核分裂反応を調整する制御棒と中性子検出器の二つの機器については、機能に影響を及ぼす可能性があるため、取り換えるとした。一方で、原子炉圧力容器と、制御棒などをのぞく炉内構造物は、現状のままで継続使用が可能とした。

 


 中電は、205本ある制御棒をサンプル調査し、腐食を見つけた、としている。同様に、中性子検出器も調査の結果、指示値が異常を示した。いずれの機器も本来、定期的に取り換える対象となっていることから、取り替えても、プラント全体の健全性に影響はないという。

 

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 圧力容器については、同容器を保護する内張り材(厚さ4mm)に腐食が点在していた。最も深い腐食は母材との境目付近まで達していたが、強度部材である母材内部には進展しておらず、母材の必要板厚に対して、まだ余裕があることを確認した、としている。また、制御棒など以外の炉内構造物にも腐食はあるが、機能は保たれているという。

 


 中電では、今年5月に公表した調査結果と合わせ、機器レベルにおける健全性はすべて確認したと説明している。今後、系統レベルでの健全性(系統の要求機能の確認や系統の浄化等)および継続的な健全性の確認についての検討を進めるとしている。

 


 また中電は同日、評価結果を、原子力規制委員会と御前崎市議会原子力対策特別委員会、静岡県等に報告した。県幹部からは点検対象機器の抽出方法の妥当性などについて質問が出た。

 

 ただ、本来は、原発を保有する電力会社の検査ではなく、専門家による第三者調査がふさわしい。静岡県担当者も、中電に質問をしているだけではなく、県民の健康維持を前提とするならば、自らの責任で専門家に委託して調査をすべきだろう。

 

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http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2015/12/15/1215-1.pdf