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ロシア インドとバングラデシュに原発建設で合意。インドでは12基、バングラは初の原発建設。原発の「温暖化リスク」へ配慮なし(RIEF)

2015-12-31 02:39:37

putinキャプチャ

  ロシアはインドで新たに12基の原発を建設する。訪露中のムディ首相とプーチン大統領の会談で合意した。ロシアは、バングラデシュにも2基の原発を建設する。インドは東芝子会社の米ウェステングハウスから「少なくとも6基」の原発購入交渉を進めており、COP21のパリ合意を受け、先進国による途上国向け「原発セールス」が公然化してきた。

 

 ロシアとインドの合意は、今週開いた両首脳のトップ会談で署名された。12基の建設合意案件のうち2件はすでに準備作業に入っており、プーチン大統領は「今後20年以内に全基建設する」との見通しを語った。

 

 合意した原発の半分は、インド南東部のアーンドラ・プラデーシュ州で建設され、残りは東部にあるタミル・ナードゥ州に建設される予定。モディ・インド政権は、旺盛な国内のエルギー需要を賄い、かつ温室効果ガス削減にも寄与する発電手段として、原発に力を入れる方針を打ち出している。現在の原発発量は57.8GWで、これを2032年には63GWへ拡大する予定。

 

 一方、ロシアはバングラデシュとの間で、1200MW級の原発を2基建設する協定を結んだ。バングラデシュにとって初の原発となる。建設費用は126億5000万㌦。その90%はロシア側が28年の低利ローンで融資する。

 

 建設候補地は、ダッカから160km離れたルップールで、1960年代初めから、原発立地候補地となっていた。 しかし、科学者や住民から、「原発立地には不適切」との声があがり、建設見合わせ状態が続いてきた。ロシアの原子力企業Rosatomが2016年早々にも建設に着手し、2022年あるいは2023年には商業化を開始できる見通し。

 

 ただ、温暖化の進行によって、海面上昇や豪雨・洪水リスクが高まっており、沿岸部に立地する原発の温暖化リスクは増大するとみられる。また気温上昇で原発の冷却水取り入れに支障をきたすとの指摘もある。

 

http://www.powerengineeringint.com/articles/2015/12/russia-to-build-12-nuclear-reactors-in-india.html