HOME13 原発 |東電、福島第1原発で大量に発生する放射性汚染廃棄物を焼却処分へ、今月下旬にも開始。汚染防護服や伐採木など。保管容積減らしが目的。焼却煙の放射性物質はフィルターで除去の予定(各紙) |

東電、福島第1原発で大量に発生する放射性汚染廃棄物を焼却処分へ、今月下旬にも開始。汚染防護服や伐採木など。保管容積減らしが目的。焼却煙の放射性物質はフィルターで除去の予定(各紙)

2016-02-03 18:20:08

fukushimashoukyakuroキャプチャ

 

 各紙の報道によると、東京電力は今月下旬にも、福島第1原子力発電所の廃炉作業で生じた放射能汚染のある防護服や敷地内で伐採した樹木などの事故処理関連廃棄物の焼却処理を敷地内で実施する。焼却に際しては、煙が大気中に拡散しないようフィルターなどで除去するとしている。

 

 事故処理作業が続く第一原発では、1日7000人弱の作業員が働いており、作業の結果として、放射性物質に汚染された防護服や下着、手袋なが大量に発生するほか、作業で使った梱包材や敷地内で伐採した樹木などが大量に廃棄物として出ている。

 

 これら放射性物質で汚染された廃棄物は、原発の敷地から外に持ち出すことは禁じられているため、現在は敷地内でコンテナなどに詰めて保管している。しかし、増え続ける廃棄物の容積は、がれきなども含めると東京ドーム4分の1に達しているという。

 

  廃棄物はこれからも大量に出ることが予想され保管場所が限界になるのが必至だ。このため、専用の焼却設備で焼却して、容積を減らしてから長期保管する体制に切り替える。すでに焼却設備は5、6号機の北側に設置している。同施設では1時間に最大600kgの廃棄物を焼却できる能力を備えている。

 

 焼却に際して懸念される放射性物質の大気中への拡散のリスクについては、フィルターを利用して漏れ出ない対策を施すという。焼却後に生じる汚染灰はドラム缶に密閉して保管する。その後、最終的には地中に埋設するなどの恒久的な措置が必要になる。

 

 東電は新たに設置した焼却設備の稼動状況について、汚染していない段ボールなどの廃棄物を燃やす試運転を先月下旬まで実施した。この試運転の状況を分析して安全性を確認した後に、2月下旬から3月上旬の間に焼却作業を開始する方針という。

 

 2019年度には伐採した樹木などを対象にした焼却設備を増設するほか、20年度にはコンクリート製のがれきなどを細かく切断して容積を半減する設備も稼働させる。一連の対策で、増え続ける廃棄物を数年内に減少に転じさせる計画という。

http://www.tepco.co.jp/decommision/news/handouts/index-j.html