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福島第一原発事故後 原発南側海岸で、貝類等の減少顕著に。国立環境研究所の調査結果(各紙)

2016-02-04 22:19:01

fukushimakaiganキャプチャ

 

 各紙の報道によると、国立環境研究所は、東京電力福島第一原発事故後、同原発の南側の海岸で、貝類など海岸沿いに生息する無脊椎動物の種類や生息数が減少していたとの調査結果をまとめた。

 

 同研究所が4日、英国の科学誌「サイエンティフィックリポーツ」に発表した論文で指摘した。それによると、同研究所の研究チームは、2011年の原発事故後から2013年にかけて、岩手県から千葉県までを対象とし、潮の満ち引きで海になったり陸になったりする「潮間帯」と呼ばれる海岸に生息する貝やフジツボなどの無脊椎動物の種類数や生息数を分析した。

 

 その結果、12年4~8月の調査では、第1原発に近づくにつれ、無脊椎動物の種類が減ることが判明。双葉~広野町では巻き貝の一種イボニシが全く採取されなかった。

 13年5~6月の調査では、石巻や茨城県沿岸など5地点で15~25種が確認されたのに対し、大熊は8種、富岡は11種にとどまった。1㎡当たりの個体数も両町は2404~2864個で、5324~3万5896個の他地点と比べ、いずれも少なく、1995東電が福島県沿岸で実施した調査(平均7158個)と比較してもフジツボ類などが大きく減少した。

 

 また、原発事故で高濃度の放射能汚染水に加え、ホウ酸などの化学物質も大量に流出された。

 

 同研究所の堀口敏宏室長は「原因は分からないが、東日本大震災の津波の影響だけでは説明できない。原発事故で漏れ出た放射性物質や化学物質が親潮の流れで南下した可能性もあり、室内実験をして原因を調べたい」としている。