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東電柏崎刈羽原発 経済効果は限定的。建設前から直近までの40年間を分析。地元産業に波及せず(新潟日報)

2016-02-15 14:44:02

kashiwazakiキャプチャ

 

 東京電力柏崎刈羽原発が地元・新潟県柏崎市の産業に与えた影響について、新潟日報社は原発建設前の1975年から直近まで約40年間の各種統計データを集計し、新潟大学経済学部の藤堂史明准教授(44)と共同で分析した結果、立地による経済効果は限定的だったことが分かった。

 

 

 原発の建設時期に地元の建設業が一時的に総生産を伸ばしたものの、基幹産業である製造業のほか、サービス業、卸売・小売業への波及効果はデータ上、見えなかった。

 

 東電が再稼働を目指す柏崎刈羽6、7号機は原子力規制委員会による審査が最終段階に入っている。経済界などからは、原発が立地地域に及ぼす経済効果を強調し、再稼働を求める声が上がっている。だが、今回の分析結果は、そうした「経済効果説」に疑問符を突きつけた形だ。

 

 新潟県の統計などを使い、柏崎市の市内総生産額(89年までは純生産額)や製造品出荷額等の75年から直近までの推移をまとめ分析した。全国の推移や、柏崎と人口がほぼ同規模の新潟県三条、新発田の両市の推移と比較して検討した。

 

 柏崎を支える製造業の生産額をみると、原発建設期の70~80年代は上昇傾向にあるが、原発が全基完成したのと同じ97年から大きく落ち込んだ。製造品出荷額等の推移もほぼ同様の傾向だった。

 

 ただ、製造業が盛んな三条も柏崎と似た推移を示していた。さらに、全国の出荷額等の動きも柏崎にそっくりで、原発立地の効果が柏崎の製造業に及んだ形跡はみられなかった。

 

 サービス産業と卸売・小売業の総生産額も新発田、三条とほぼ同じ推移をしており、原発立地によって柏崎だけが特別伸びた様子はうかがえない。建設業だけが原発建設期に三条、新発田よりも総生産額を伸ばしており、一時的な効果はあったとみられる。

 

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