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東電福島原発 汚染水漏洩防止の凍土遮水壁凍結完了は秋以降に(各紙)

2016-02-16 16:11:27

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 東京電力は15日、福島第一原発への地下水流入を減らす「凍土遮水壁」の運用計画について、当初予定した今年年度中の作業完了計画を変更し、建屋の海側部分を先行して凍結させる方針を原子力規制委員会に示した。

 遮水壁は、1~4号機の周囲1.5kmに約1500本の凍結管を打ち込み、地下30mの氷の壁を造る対策で、今月9日に設置工事が完了した。東電の当初の計画では、地下水流入量の抑制を優先して山側から段階的に凍結させる方針だった。

 

 これに対して規制委は、山側を先に凍結させた場合、凍土壁で仕切られて建屋周囲の地下水位が下がり過ぎ、建屋内に滞留している高濃度汚染水の水位の方が高くなって、汚染水が地中に流出するリスクがあると指摘。汚染水漏洩を防ぐ具体的な対策を東電に求めていた。

 

 東電はこの日の検討会で、規制委の指摘を受け入れ、凍土遮水壁の海側を2カ月半ほどかけて凍結し、山側は4段階に分けて徐々に凍結する工程を提示した。東電の修正方針への目立った異論はなかったことから、3月中にも規制委に認可される見通しとなった。

 

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 新たな方式で作業を続けた場合、凍結完了には約8ヶ月かかる見通しで、遮水壁の凍結完了は秋以降にずれ込む見通しとなった。
 

 
 会合で規制委の更田豊志委員長代理は「(規制委の)以前からの提案に沿った内容だ」と見直し案に一定の評価を示しつつ、山側の凍結手順をより詳細に検討するよう東電に指示した。


 凍土壁は、建屋の手前で地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」などとともに、汚染水対策の柱に位置付けられている。建設には約350億円の国費が投じられている。14年6月に着工していた。

 

 内堀雅雄知事は15日の定例会見で「工程表を守る一方で、安全・安心も大事だ。国と東電には全体を考えながら、責任を持って対応してほしい」と述べた。

 

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160216_63006.html