HOME13 原発 |東電福島第一原発の放射性汚染水の海洋流出。公害犯罪容疑の東電と元役員ら不起訴処分に。福島地検「海に流出した証拠はない。立証困難」と。原告訴訟団は検察審査会へ申し立て検討へ(福島民友) |

東電福島第一原発の放射性汚染水の海洋流出。公害犯罪容疑の東電と元役員ら不起訴処分に。福島地検「海に流出した証拠はない。立証困難」と。原告訴訟団は検察審査会へ申し立て検討へ(福島民友)

2016-03-30 21:47:57

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 東京電力福島第1原発の汚染水を海に流出させたとして、「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律(公害罪法)」違反の容疑で告発、書類送検された法人としての東電と新旧役員32人について、福島地検は29日、「汚染水が海に流出した証拠はなく、危険が生じたと立証するのは困難」として不起訴処分とした。

 

告発は〈1〉第1原発のタンクに保管していた汚染水の漏えい対策を怠り、タンク内の汚染水約300トンを海に流出させた〈2〉原子炉建屋を囲む遮水壁の設置を先送りにし、建屋の汚染水を1日当たり300~400トン海に流出させた―としている。

 

 地検はタンクからの漏えいについて、漏えい対策で権限があった広瀬直己社長ら4人と東電、遮水壁については設置の権限があった勝俣恒久元会長や広瀬社長ら6人と東電をそれぞれ嫌疑不十分とし、残る役員は嫌疑なしとした。

 

 地検はタンクからの漏えいについて「汚染水の一部が排水路経由で海に流出した可能性は否定できないが、流出を裏付ける証拠はない」、遮水壁に関しては「流出防止は海側遮水壁の設置で十分。放射線量が高いなど凍土遮水壁の設置工事には(当時)技術的問題があった」とした。

 

 福島原発告訴団のメンバーらが2013(平成25)年9月に県警に告発し、県警は昨年10月に書類送検していた。

 

「とても納得できる内容ではない」。福島第1原発の汚染水流出で、福島地検が東京電力と新旧役員32人を不起訴処分とした29日、告発した福島原発告訴団の武藤類子団長(62)=三春町=は都内の司法記者クラブで記者会見し、処分内容に不満を募らせながら、検察審査会への申し立てを検討することを明らかにした。

 

武藤団長は「汚染水問題はこの5年間で泥沼化している。長い期間捜査したのに、非常に残念な結果だ。東電が何をできて、何をしなかったのか、地検にもう少しきちんと調べてもらいたかった」と肩を落とした。

 

 告訴団の代理人を務める海渡雄一弁護士は、福島地検から受け取った不起訴理由の書面を基に「汚染水の漏えいは防げたと地検は判断している。あとは漏えいを予見できていたとはっきりすれば、十分事件として成立するということだ」と強調。今後、福島地検から不起訴理由について説明を受けると明らかにした。

 

 河合弘之弁護士は「はじめに不起訴ありきで、理由を一生懸命考えてへりくつを並べたものだ。東電のやり方を追認したとしか思えない」と地検の姿勢を批判した。

 

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