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東京電力福島第一原発 台風16号の影響で、地下水ドレンの水が地表面を上回る。未処理地下水の一部は港湾流出の可能性も(各紙)

2016-09-22 20:56:07

fukushimasubdraiキャプチャ

 

 台風16号による降雨の影響で、東京電力福島第一原発の敷地内の井戸「地下水ドレン」に雨水が流れ込み、20日夜から21日朝にかけて、地下水の水位が地表面を上回ったという。このため未処理の地下水の一部が、港湾に流れ出た可能性がある。

 

 東京電力によると、20日午後10時ころ、福島第一原発周辺に降り注いだ激しい降雨の影響で、地下水ドレンの水位が地表面と同じ高さに達した。当該エリアから水の噴き上げ等の現象はなかったが、地下水の増量は翌日21日の午前7時ころには、地表面より5cmも高くなったという。

 

 井戸には高さ60cmの鋼鉄製のふちが付いているため、井戸から汚染水の直接の流出はなかったとみられる。だが、周辺の舗装面のひび割れなどから、浄化処理をしていない汚染水が地表にしみ出し、港湾内に流れた可能性がある。

 

 東電では、海水の放射性物質濃度を調べているが、地下水位上昇後の港湾内の海水のベータ線を含む放射性物質濃度の最高値は1㍑当たり27ベクレルを記録した。濃度としては、水位上昇以前の値と大きな変動がなかったという。

 

 東電は午前7時ころからバキューム車でドレンの地下水の吸い上げ作業を開始、3時間後の午前10時ころには地表面と同じ水位にまで下がった。しかし、同日午後11時ごろ、再び地表と同じ高さに達した。

 


 第一原発では、建屋を経由する地下水の海洋流出を防ぐための海側遮水壁が昨年秋に完成している。岸壁に近い「4m盤」と呼ばれるエリアで地下水をくみ上げ、建屋などに戻している。しかし、8月以降の降雨の影響で地下水位が上昇、仮設のポンプを増設するなどして水位の監視を強化していたという。

 

 台風による降雨量が従来に比べて飛躍的に増加しているほか、今年は東北地方に影響を与える台風の数が多いことなどから、従来の土木設計に基づく福島第一原発の排水機能では、処理限界を超えている可能性がある。

http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2016/images2/handouts_160921_04-j.pdf