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「原発へのテロ攻撃は容易にできる」~仏グリーンピースが、スーパーマンの形をしたドローンをEDFの原発の使用済核燃料の保管建物に、空中から衝突させて実証(RIEF)

2018-07-05 08:16:26

 

 環境NGOの仏グリーンピースは3日、反原発行動の一環として、原発がテロ攻撃に無防備であることを証明するとして、スーパーマンの形をしたドローンを国営電力会社EDFが運営する原発に空中から侵入、使用済核燃料保管プールの建物の外壁に衝突させた。グリーンピースは昨年10月も別の原発を”攻撃”しており、原発の危険性をアピールする活動を展開している。

 

 ドローンの侵入を受けた原発はフランス南東部の都市、リオンの郊外約25kmに建設されているBugey(ビュジェ)原発。原発周辺は飛行制限区域に指定されているが、グリーンピースが公開した動画では、その区域を飛行し、原発内の建屋の壁にぶつかる様子が映し出されている。

 

 EDFによるとグリーンピースが飛ばした2機のドローンのうち1機は警察が押収したという。また使用済み燃料プールの建屋は自然災害や事故などの衝撃に耐えられるように設計されていると説明。グリーンピースを警察に告発する、としている。

 

drone1キャプチャ

 

 これに対して、グリーンピース・フランスの原子力反対運動部門を率いるヤニク・ルスレ(Yannick Rousselet)氏は「今回の『成功』は極めて象徴的な行動だ。高濃度の放射線廃棄物を貯蔵した建物が、空からの攻撃に極めて脆弱であることを示した」と成果を誇っている。

 

 グリーンピースは昨年10月にもEDFのCattenom原発という別の原発に活動家が、二つの警備壁を破って侵入し、花火を打ち上げるという”戦火”をあげている。この活動に対してフランスの裁判所は、活動家たちを有罪を宣告することは猶予したが、EDFに損害を与えたとして、5万ユーロ(約644万円)の罰金を科している。

 

使用済核燃料保管プールの建物の近くを滑空する”スーパーマン”
使用済核燃料保管プールの建物の近くを滑空する”スーパーマン”

 

 グリーンピースが原発の安全網を破ったことに対しては、仏議会も問題視しており、今週中に、原発の安全性の確保に関する議会調査の報告が公表される予定。今回のグリーンピースの「スーパーマン・ドローン」の投入は、そうした議会報告書への世論の喚起を高める狙いもあるようだ。

 

https://www.greenpeace.fr/