HOME13 原発 |東京電力、福島第一原発2号機で、格納容器内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の接触調査を実施。小石状のものをつかみ上げることに成功(各紙) |

東京電力、福島第一原発2号機で、格納容器内に溶け落ちた核燃料(デブリ)の接触調査を実施。小石状のものをつかみ上げることに成功(各紙)

2019-02-14 14:08:30

TEPCO2キャプチャ

 

  各紙の報道によると、東京電力は13日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器内で溶け落ちた核燃料(デブリ)に触れて、硬さなど調べる調査を初めて実施した。装置を遠隔操作で格納容器に挿入し、デブリの可能性がある小石状の堆積物をつかんで持ち上げた、と説明した。東電は小石状の堆積物の取り出しは可能との認識を示したが、より大きな堆積物を取り出せるかは不明のままだ。

 

 (写真は、格納容器内のデブリの一部を、遠隔装置でつかんだ作業の様子)

 

 作業は13日の午前7時ごろから午後3時過ぎにかけて行った。格納容器内は極めて放射線量が高いため、遠隔操作でパイプの先端に操作機器をつけて、原子炉圧力容器の真下にある格子状の作業用足場の脱落部分からケーブルで格納容器の底まで下ろした。

 

 堆積物が滞留している底部に着いた装置を操作して、合計6カ所で堆積物に接触させた。このうち5カ所では、1~8cmほどの大きさの小石状の堆積物や棒状の構造物に触れ、それらを動かせることを確認した。また、一部を機器ではさんで、最大5cmの高さまで持ち上げたという。 こうした操作が遠隔で実施できたことから、東電ではこれらの小規模な堆積物は、格納容器の外部に取り出せるとの認識を示した。

 

 ただ、6ヶ所のうち1ヶ所では、装置でつかもうとしても、持ち上げることができなかったという。底部に堆積したデブリを完全に取り出すには、堆積物全体を切り出すか、そぎ落とすなどの作業をして細分化する作業の必要性が再確認された。

 

 廃炉作業は全体で30~40年かかるとされる。その中でも格納容器内に露出したデブリの撤去は、もっとも困難な作業になるとみられている。国と東電の廃炉工程表では、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1~3号機のうち2019年度に取り出しの初号機を決め、21年に取り出しを開始する計画。今回の実証調査で2号機から先行実施する可能性が高まったとみられる。2号機は、炉内で作業の障害となる構造物が比較的少ないことも指摘されている。