HOME13 原発 |東京電力福島第一原発からの放射性物質の放出量、この1年で前年比倍増。年間9億3300万ベクレル。東電「廃炉作業で一時的に増加」と説明(各紙) |

東京電力福島第一原発からの放射性物質の放出量、この1年で前年比倍増。年間9億3300万ベクレル。東電「廃炉作業で一時的に増加」と説明(各紙)

2019-03-08 17:23:07

NHK1キャプチャ

 NHKの報道によると、東京電力福島第一原子力発電所から放出されている放射性物質量が、今年1月までの1年間の推計で、前年と比べてほぼ2倍に増えていることがわかった。放出量は基準値を大きく下回っているものの、東電は廃炉作業によって一時的に増えたのが原因ではないかと説明しているという。本来、東電が発表し、周辺の住民や作業員等に注意喚起のために知らせるべきといえる。

 東電は2011年3月11日の原発事故発生後、1号機から4号機の原子炉建屋から放出されている放射性物質の量については、これまで、「対策を講じているので大幅に減ってきている」と説明してきた。

 NHKは、東電の公表資料を基に計算したところ、いずれも推計で、去年1月までの年間の放出量は約4億7100万ベクレルだったのに対し、今年1月までの1年間の放出量は倍近い9億3300万ベクレルに上昇していることがわかったと報道した。

NHK2キャプチャ

 東電はNHKの指摘について、1号機のがれきの撤去作業や、2号機の原子炉建屋の放射線量を測る調査に伴う作業等によって、敷地内で放射性物質を含むちりなどが舞ったからではないかと説明しているという。



 ただ、1時間当たりの放出量は昨年の場合も、国の基準を基に東電が定めたレベルを大きく下回っているという。東電は「(事故後)8年間の大きなトレンドでは放射性物資の量は減少傾向にあるが、廃炉作業によって一時的に増えたのが原因とみられる。放射性物質が広がらないよう対策を講じたい」としているという。

 NHK3キャプチャ

 廃炉作業によって、大気中に放射性物質が拡散しているということは明らかで、その放出量は基準以内であっても、廃炉作業は今後長期にわたって続くことから、累積の影響等について、しっかりとしたモニタリングや検証が求められる。東電任せにしている政府の監視体制の有効性が問われている。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190308/k10011839681000.html?utm_int=news-culture_contents_list-items_008