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原子力規制委員会、原発への対テロ対策設備設置の期限延長を拒否、九州電力の川内1号機など、間に合わないと来年3月に停止の可能性(各紙)

2019-04-24 22:13:14

chugokuキャプチャ

 

 原子力規制委員会は24日、原発に対して航空機衝突などを企てるテロ行為に対処するための設備整備を、「原発本体の工事計画の認可から5年以内」とする原則を厳守し、例外を認めない方針を決めた。この結果、すでに再稼働した関西、四国、九州の3電力の5原発10基は、期限を迎える2020年以降、順次、運転停止を迫られる。

 

 (上図は、「特重施設」のイメージ=中国電力の説明資料から)

 

 対テロ対策として、万一の場合、遠隔操作によって原子炉の冷却を続けるなどのテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設備増強は、東京電力福島第一発電所事故後の新規制基準で「5年以内」の設置が義務付けられた。

 

 ところが、これまでに、関西電力等は、「大規模な土木工事等が必要で工期を確保できない」などとして、それぞれ1~3年ほど期限を超過する見通しを表明、規制委に対して延期を求めていた。

 

 これに対して、24日の規制委会合では「工事の遅れは自然災害などの不可抗力によるものではない」として、期限延長の必要性はないとの意見で一致した。そのうえで、期限を超えた場合、新規制基準に適合しないことになるため、「原子炉を利用できない」とする見解をまとめた。

 

 更田豊志委員長は「(期限超過で)基準不適合になった時の、原子力施設の運用を見過ごすことはできない」と指摘した。特重施設は当初、2013年の新基準施行から一律5年で設置するとしていたが、その後、審査の長期化を踏まえ、規制委が原発本体の工事計画認可から5年に変更した経緯がある。

 

  この結果、最も早く期限が来る九州電力の川内1号機は来年3月に停止の可能性がある。関電では高浜3号機が同年8月に期限となる。ただし、設置が期限に間に合えば停止は避けられるほか、いったん停止した場合でも、設備の設置が完了すれば再稼働できる。

http://www.nsr.go.jp/

http://www.energia.co.jp/judging/gaiyou/pdf/gaiyou_h261126_1.pdf