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東京電力元社長、民間のセミナーで「原発の必要性」を強調、「必要悪だ」「何十年も(この考えは)変わっていない」と説明(各紙)

2019-05-28 14:16:46

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  各紙の報道によると、元東京電力社長の南直哉(のぶや)氏(83)が24日、都内で開いたセミナーの場で、「電力が足りないとき、エネルギー源として原子力なしでやれるかどうか」と、原発の必要性を強調した。2011年3月の東電フクシマ第一原発事故以降で、事故を引き起こした東電の社長経験者が公開の場で原発政策について語るのは稀という。

 

 朝日新聞が報じた。南氏は民間の政策シンクタンク「構想日本」が24日に東京都内で開いた原発問題をテーマにしたフォーラムに一般の参加者として出席。傍聴席の最前列に着席していた。開始から約1時間後、司会者からコメントを求められ、自説を約90人の参加者の前で述べた。

 

 南氏は、「地球上で今70億を超える人間がいて、現在でも十数億人は電力が欲しいけれども恩恵にあずかれないでいる。電力が足りないとき、エネルギー源として原子力なしでやれるかどうか。足りないとき原子力をどう考えるか。安全にするにはどうしたらいいかという議論が改めて必要だ」

 

  南氏のコメントは地球温暖化問題や産業革命の歴史などにも及び、約10分続いた。報道によると、参加者は静かに聞いていたとしている。 この日のフォーラムは、中国電力の島根原発問題tに取り組む松江市民が、構想日本の協力のもと昨年11月から4回にわたり、同原発の再稼働問題を「自分ごと」として話し合ってきた会議の報告がテーマだった。南氏も3回目に松江市を訪れ傍聴したという。

 

 南氏は「福島であの(松江のような)会議を開こうと思ったら不可能だったであろう。松江はすごいとつくづく思った」ともコメントした。

 

 フォーラム後、南氏は取材に対し「原子力がなくて済むなら、それにこしたことはないが、私は必要悪だと思っている」と説明。福島の事故後も考えに変化はないのか確認すると、「全く変わっていない。何十年も考え抜いた結論だ」。福島の人の前で同じ主張ができるか尋ねると、「もちろん言えますよ。専門家が言っていますが、放射能は正しく恐れたほうがいい」と話した。

 

 南氏は東電の企画部長などを経て1999年6月に東電社長に就任した。就任中、2002年4月の朝日新聞社のインタビューには「原子力事業は高くついたとしても推進する必要がある」などと話していた。同年8月に同社原発で大量の「トラブル隠し」が発覚したため、会長の荒木浩氏や、相談役の平岩外四、那須翔両氏らとともに、経営責任を取って辞任した。

https://www.asahi.com/articles/ASM5S7RJ7M5SULZU01R.html