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先月起きた韓国のハンビッ原発1号機の出力急騰トラブル。担当者が核分裂の計算を間違い、原子炉の制御棒を大幅に引き出した「人災」だった。韓国原子力委が中間報告を公表(各紙)

2019-06-25 13:05:14

Koreanukeキャプチャ

 

 今年5月に、韓国のハンビッ原子力発電所1号機の出力が規定値を超えて急上昇した問題で、韓国原子力安全委員会は24日、担当者が核分裂の進み具合の計算を間違え、原子炉の出力を調整する制御棒を大幅に引き出した「人災」が原因だったとする中間調査結果を発表した。同トラブルでは放射性物質の漏洩等はなかったが、作業に当たっていた従業員が無免許だったことも判明している。

 

 (写真は、韓国・霊光にあるハンビッ原発1号機)


 トラブルがあった原発は韓国南西部の全羅南道・霊光にある韓国水力原子力(韓水原)が運営するハンビッ原発1号機。5月10日に、制御棒の性能確認試験中に熱出力が制限値の5%を超えてごく短時間で約18%まで急騰した。制限値を超えた場合、即時停止すると運営指針では定めているが、韓水原は緊急停止しなかった。

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  ようやく停止されたのは、異常感知から約11時間半後だった。原子力安全委はこうした韓水原の対応は、原子力安全法に違反した可能性があるとして、同機の使用停止を命じ、特別司法警察官が調査を進めてきた。特別司法警察官の投入は1987年に原発の商業運転が始まって以来初めて。

 ハンビッ原発は以前は「霊光原発」と呼ばれていた。トラブルを起こした1号機は1986年8月に完成、操業後33年が経過している。1号機のほか、2002年までに6基が建設され、総出力は587万5000kW。韓国の原発は全部で24基が商業運転中。ハンビッ原発の6基以外は、日本海側に建設されている。

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