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昨年2019年のグローバルベースでの新規稼働原発は6基、閉鎖原発は9基。総稼動原発は3基減って422基。総発電量も微減。しかし、原発依存構造は変わらず(RIEF)

2020-01-06 12:40:00

nuke1キャプチャ

 

    世界の原子力発電所は、昨年1年間で6基が新たに稼働した半面、9基の閉鎖された。差し引き、前年より3基減少、発電量も543MWe減少した。新規稼働はロシア3基、中国2基、韓国1基。3か国に集中しているのに対し、閉鎖は、日本の九州電力玄海1号機のほか、米、独、スイス、スウェーデン、台湾、韓国などと各国に点在する形だ。

 

 (写真は、新規稼働したロシアのノヴォヴォロネジ第二原子力発電所2号機)

 

 World Nuclear News(WNN)が報じた。新規稼働6基合計の発電量は5241MWe。前年2018年(10420 MWe)の新規稼働分のほぼ半分だった。19年新規稼働のうち、二基は中国の広東省・台山(Taishan)2号機と同省・陽江(Yangjiang)6号機。

 

 韓国は新古里原子力発電所4号機。ロシアは中部のノヴォヴォロネジ第二原子力発電所(Novovoronezh II)2号機と、ロシアの原子力企業ロスアトムが所有する世界初の洋上原子力発電所の「“Akademik Lomonosov(アカデミック・ロモノソフ)号」に装備された2基の原発も、年末に発電を開始し、電力網に接続された。

 

韓国で新規稼働の新古里原発4号機
韓国で新規稼働の新古里原発4号機

 

 新規原発の発電量は18年より少なかったが、17年(3345MWe)よりは上回っている。また19年中に発電容量を高めた既存原発が3基(米2基、アルゼンチン1基)あった。3基の合計追加発電量は212MWe。この追加分も18年(350MWe)に比べ少なかった。

 

 昨年中に新たに建設が始まったのは3基。1基は、ロシア海軍の949A型Антей巡航ミサイル原子力潜水艦クルスクの2号機。同1号機は2000年8月12日にバレンツ海で事故で沈没、全乗員が死亡した経緯を持つ。

 

 もう1基は中国の福建省・漳州1号機。さらにイラン初の原発、ブーシェフル原子力発電所の2号機の建設も始まった。同原発は、イラン南西部のブーシェフル郊外、ペルシャ湾岸に建設中。

 

 一方、閉鎖された9基は、各国に点在する。合計の発電量は5976MWeで、閉鎖電力量が新規稼働電力量を上回った。閉鎖原発はロシアのビリビノ(Bilibino)第一原発、台湾の台北郊外の第一原発、日本の玄海第一、スイスのMühleberg、ドイツのPhilippsburg第二、米国のPilgrim、同 Three Mile Island 1、スウェーデンのRinghals2、韓国の月城原子力発電所1号機。老朽化による閉鎖が中心だ。http://rief-jp.org/ct13/97662

 

 この結果、世界の稼働中の原発は2019年末現在で、442基と前年より3基減少した。発電総量は合計で392.4 GWe。建設中の原発は54基、59.9GWeとなっている。原発数は微減したが、以前、世界の原発依存構造は続いていることになる。

 

http://www.world-nuclear-news.org/Articles/Reactor-shutdowns-outweigh-start-ups-in-2019