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前原子力規制委員長の田中俊一氏、福島・飯舘村「復興アドバイザー」に就任。すでに昨年末から村で生活も(各紙)

2018-01-30 01:21:06

tanakaキャプチャ

 

 各紙の報道によると、福島県飯舘村は29日、原子力規制委員会の前委員長の田中俊一さん(73)に村の復興アドバイザーを委嘱した。田中さんは福島市出身で、東京電力福島第一原発事故後に飯舘村などの除染アドバイザーを務めてた経緯がある。昨年9月に初代委員長を退任後、すでに12月に同村に住居を構え、茨城県の自宅と行き来する生活を送っている。

 「飯舘村復興アドバイザー」は、村の復興を進めるための助言を行うために新たに創設されたポスト。村は、その第一号のアドバイザーを田中さんに依頼した。任期は2月1日~2020年3月末。

 菅野典雄村長は飯館村役場で、田中さんに委嘱状を手渡した後、「規制委員会の経験を生かして、助言などいただきたい。少しでも村の再生が進むよう期待しています」と声を掛けた。

 この村長の言葉を受けて田中さんも、「規制委員会の仕事をしていても飯舘村に貢献したいという思いがあった。私のできる範囲で村や村民一人一人の要望に応えられるよう、全力を尽くしたい」と決意を述べた。

飯館村内を散策する田中さん
飯館村内を散策する田中さん

 

 田中さんは規制委の委員長の座にあった間も、「いずれは村で生活したい」との思いを持ち続けていたという。田中さんは福島原発事故直後、長泥地区の行政区長鴫原良友さん(67)の住宅でモデル除染に取り組んでいた経験がある。

 

 除染は、事故後、2012年に規制委委員長に就任するまで定期的に続けた。また就任後も鴫原さんらとは連絡を取り合ってきたという。田中さんが5年ぶりに戻ってきた長泥地区では、除染から次のステップとして避難指示解除に向けた「ミニ復興拠点」の整備計画策定が進んでいる。また環境省による村内の除染で出た土壌を再利用する計画もある。

 

 いずれも容易に進展するものではないが、田中さんは5年間の規制委委員長時代に培った経験、人脈等をフルに生かして、村の復興に貢献する決意という。

 

 一方で、田中さんには、農村として長い歴史を築いてきた飯館村での生活への強い憧れもある。楽しみにしているのは山歩きだ。「村民とどんどん交流の場を持ちたい。村での生活はとにかく楽しみ」と語っている。月の半分程度は村内で生活しながら、同村を拠点に、被災12市町村を巡って、地域の復興に尽くしたい考えのようだ。

 

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