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国連環境計画(UNEP)次期事務局長を、国連事務総長が指名。国際自然保護連合のインガー・アンダーセン氏。前任のソルヘイム氏がツィッターでリーク(?)(RIEF)

2019-02-18 22:14:27

Andersen1キャプチャ

 

    国連のグテレス事務総長は、昨年11月に不祥事を理由に辞任した国連環境計画(UNEP)事務局長のエリック・ソルヘイム(Erik Solheim)氏の後任として、デンマーク出身のインガー・アンダーセン氏(Inger Andersen)を指名した。国連総会で承認後に正式に就任することになる。

 

 アンダーセン氏は2015年1月から国際自然保護連合(IUCN)の事務局長を務めている。60歳。ノルウェー出身のソルヘイム氏は、在任中に頻繁な海外出張と公私混同問題を指摘されて辞任、UNEP事務局長の座は、約3カ月間、空席のままとなっている。

 

 ソルヘイム氏は2016年5月の就任後の668日のうち、約8割の529日を海外出張に充て、 その中には週末の間だけ自国のノルウェーやパリに往復するケースもあり、国連専門組織のガバナンスが問われていた。

 

  新たに指名されたアンダーセン氏は、2015年1月からIUCNの事務局長として活躍。それ以前も世界銀行や国連などで環境分野の活動を30年以上も続けてきた環境活動家として知られる。

 

 環境分野だけでなく、IUCNに移る前には、世銀の中東・北アフリカ地域担当のバイスプレジデントや、国際農業研究基金評議会のコンサルタティブグループの責任者なども務めた経緯がある。

 

 若いころから国際的な環境活動に取り組んできたエネルギッシュなアンダーセン氏には、ソルエイム氏の不祥事で傷ついたUNEPのガバナンスへの信頼回復への期待が寄せられている。

 

 アンダーセン氏はツィッターで「国連事務総長からの指名は大変光栄です。地球の環境と人類自身が危機にある時に、環境に責任ある行動をとること(スチュワードシップ)ほど重要なことはない」と決意を語っている。

 

 これでアンダーセン氏が次期UNEP事務局長に就任する公算が有力となったわけだが、実はアンダーセン氏の指名をグテレス氏が正式に公表する前日に、前任のソルヘイム氏がツィッターでアンダーセン氏の名前を公表するという事態が起きた。国連やUNEP等は当初、ノーコメントとしていたが、一転して指名したことを認めた。

 

 この「ソルヘイム氏によるリーク」が何を狙ったものなのか不明。どこまでも人騒がせなソルヘイム氏だが、同氏はグテレス事務総長の指名公表後に、自身のツィッターで「インガーは、母なる地球への大いなる熱情を持つと同時に、科学的で政治的プロセスについても熟知している。彼女とともに働き、彼女を支援することを心待ちにしている」とコメントしている。

 

 くれぐれも新事務局長の足を引っ張らないでもらいたい。

 

https://www.un.org/sg/en/content/sg/personnel-appointments/2019-02-16/secretary-general-nominates-inger-andersen-of-denmark-executive-director-of-the-united-nations-environment%C2%A0programme