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第一生命、内外株式運用にESG要素を取り込みへ。国内株では炭素効率性を評価、外国株ではアラベスクのESGスコアを導入(RIEF)

2020-04-01 12:01:07

Daiichiseimei1キャプチャ

 

  第一生命は、内外株式運用にESG要素を組み込むことを決めた。国内株式運用ではインハウス運用で炭素効率性の高い銘柄を選定するとともに、気候変動要素がネガティブな財務インパクトが想定される銘柄を除外する。外国株運用では2020年度からインハウス運用だけでなく、全運用に外部機関のESGスコアによるスクーリング手法を導入する、としている。

 

 同社が運用する資産額は約36兆円。民間生保では日本生命に次ぐ規模。同社は今回の株式運用へのESG評価の導入を「ユニバーサル・オーナーとしての取り組み」と位置付けている。

 

 対象となる国内株式運用では、同社が自ら運用するインハウス運用に気候変動要素を組み込むため、環境株式指数の「S&P/JPX カーボン・エフィシェント指数」に基づき、炭素効率性(売上高当たりの炭素排出量)が高い銘柄を、投資対象候補の銘柄群に追加する。同時に気候変動要素がネガティブな財務インパクトを与えると判断される銘柄を除外して、投資対象ユニバースを選定する。すでに、2019 年度に、気候変動リスク・機会の観点での分析に基づいた社内投融資ランクの調整を始めているという。

 

国内株式でのESG配慮手順
国内株式でのESG配慮手順

 

 一方、外国株式運用では、アラベスク・エス・レイが算出する ESG スコアを活用する。すでに19年度中にインハウス運用でのスクリーニングに適用している。2020年度からは、その手法を外国株式全体の投資プロセスに適用する。アラベスクの手法は、世界の主要上場企業 7000 社超の ESG 関連データを日次で収集し、AI を用いて ESG スコアを算出するもの。

 

外国株でのESG評価手法
外国株でのESG評価手法

 

  第一生命は、「今後も引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資 家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG 投資に積極的に取り組んでいく」としている。

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2019_087.pdf