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AIG損害保険、洪水・水害の影響で工場等から流出した有害物質等による環境汚染事故を保険の補償対象に。環境汚染賠償責任保険で気候変動の物理リスクに対応(各紙)

2020-06-30 12:43:59

AIG001キャプチャ

 

 各紙の報道によると、AIG損害保険は7月1日から、水害の影響を受けた工場などの施設から有害物質を含む薬品や原料等が流れ出て周囲に環境汚染を引き起こした際の損害を補償する保険を販売する。従来の保険では、洪水が原因による環境汚染事故は補償の対象外だったが、気候変動の進展で台風や大雨のリスクが高まっていることを受けて、補償範囲を拡大することとした。

 

 日本経済新聞が伝えた。補償額は、身体や財物の損害賠償金や汚染浄化費用をあわせて最大2500万円まで支払う。水害による環境汚染を補償する保険が国内市場で提供されるのは初めてとしている。

 

 AIGは、すでに環境汚染賠償責任保険を提供している。工場等で発生し得る突発性の事故で原料や薬品などが周辺環境を汚染する水質汚濁や土壌汚染等で、第三者に損害が出た場合や、行政命令等による汚染浄化費用等を補償する保険だ。1992年にAIG損保(旧AIU保険)が日本で初めて発売している。

 

 同保険は、環境汚染事故による被害者への損害賠償金と、汚染拡大の防止や、軽減のために支出した費用、損害賠償訴訟に発展した場合の訴訟費用等をカバーする。

 

 対象となる環境汚染事例は、たとえば、①工場内のタンクが爆発し、タンク内の有害物質が敷地外に拡散して、近隣住民に健康被害を与えた②知らないうちに環境基準値を超過した有害物質を排出してしまい、下流の浄水場が取水停止となり、浄水場にて営業損失が生じた③環境汚染により河川を汚染し、漁業権・入漁権を侵害した④環境汚染を発生させ、自治体より法令に基づく汚染浄化費用の支出を命じられた、など。

 

 ただ、これまでは台風などの自然災害による洪水の影響は対象外だった。我が国では、昨年の台風15号、19号等で各地で洪水被害が発生している。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20200630&ng=DGKKZO60912060Z20C20A6EE9000

https://www.aig.co.jp/sonpo/business/product/pollution