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損保ジャパン、洋上風力発電事業向けの包括保険、販売開始。海洋上のリスク評価で東京大学等と共同開発したリスク評価モデル活用。浮体式も対象に(RIEF)

2020-07-17 13:44:07

windfram001キャプチャ

 

  損害保険ジャパンは15日から、洋上風力発電事業向けに、建設段階から事業運営までのリスク評価およびリスクを包括的に補償する保険の販売を始めた。リスク評価の部分は、グループのSOMPOリスクマネジメントが東京大学と共同開発したリスク評価モデルを活用する。洋上での波浪、風災、落雷、電気的故障等のリスクや、事故・修理時の傭船費用等もカバーする。今後、増加が見込まれる浮体式洋上風力発電事業のリスク評価も可能という。

 

 販売を始めた保険は、「ONE SOMPO WINDサービス」。昨年4月、洋上風力発電を推進する「海洋再エネ発電設備海洋利用促進整備法」が施行されたことで、日本を囲む沿岸部各地で、洋上風力発電事業の準備・展開が進んでいる。ただ、洋上風力事業は一件、数千億円にもなる大型プロジェクトであるほか、海洋上では台風や落雷等の事故や、船舶が衝突したり、海底ケーブルが破損するなどの従来の発電所では想定していないリスクの存在がある。

 

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 今回、そうした海洋関連のリスクについて、SOMPOリスクマネジメントが東京大学の協力で開発したリスク評価モデルを使うことで、洋上風力発電固有のリスク評価が可能になった。保険が付与されることで、風力発電事業に伴うプロジェクトファイナンスの組成が可能になる。また最適な保険設計、再保険等によるリスクの分散化も可能になるとしている。

 

 洋上風力発電事業そのもののリスク評価に加えて、建設工事段階のリスク評価も可能になる。洋上風力発電設備は海洋上に構築するが、そのためには陸上で準備した部材を海洋搬送し、設置場所で組み立てるという作業が必要。同保険は、そうした建設工事に伴う事故評価についても、膨大な事故データを活用して評価できる。

 

 発電事業、建設段階それぞれのリスクを評価したうえで、損保ジャパンが包括的な補償を提供する仕組みだ。補償対象には建設・事業運営中の事故による賠償責任や逸失利益、設備修理時の傭船費用、撤去費用等も入る。

 

https://www.sompo-japan.co.jp/~/media/SJNK/files/news/2020/20200715_1.pdf