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第一生命、自社運用の外国株投資全体にESG評価を加える。MSCIの全世界株式インデックスを採用。対象資産額は約4000億円。投資リターンとESGリターンの両方の向上目指す(RIEF)

2020-10-03 15:42:17

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 第一生命保険は、ESG 投資の一環として、外国株式に対する自社運用全体にESG評価を加える。対象資産規模は約4000億円。MSCIの全世界株式指数である「ACWI ESG Universal Index」を採用する。同社の外国株運用総額は約4000億円で、投資リターンの向上と、ESGリターンの向上の両方を目指す。

 

 外国株でESG評価を全面的に採用するのは年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)に次ぐ。採用するMSCIの指数は、幅広い銘柄への分散投資を維持しながら、ESGを考慮した投資割合を高めようとするユニバーサルオーナー型の投資家向け指数とされる。元指数である時価総額加重型の「MSCI ACWI」の構成銘柄を基本として、 ESG評価が高い企業ほど組入比率を高くする。元指数対比で最大 2.5 倍まで。

 

 同指数は投資先企業のESGの取り組みを7段階で評価する。今回の第一生命の外国株運用の場合、温室効果ガス排出量を実質ゼロに向けた取り組みを進める米セールスフォース・ドットコムのような最上位クラスと2番目クラスの企業への投資が半分以上になる見通しとしている。ESG評価に際して、ネガティブ・スクリーニングで、武器関連企業、不祥事企業、石炭火力発電比率の高い企業等を除外する。

 

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 同社は 2019年から、ESG スコアを用いてポートフォリオを構築する運用手法を、外国株式運用の一部資金で実施してきた。今回、その成果を踏まえて、ESG 指数を全面に採用してESG運用対象を大幅に拡大することとした。

 

 今年4月には「第一生命の ESG 投資の基本方針」を制定、全資産の運用方針・運用プロセスにESG 要素を組み込む目標を掲げている。同社では「今後も引き続き、運用手法の高度化・多様化によって資産運用収益の向上を図るとともに、責任ある機関投資家として持続可能な社会の形成に寄与すべく、ESG 投資に積極的に取り組んでいく」とコメントしている。

 

https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2020_046.pdf