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日本生命、来年4月から約70兆円の全資産の運用にESG評価を導入。温室効果ガス削減等を投融資で評価。海外国債、不動産運用にも適用(RIEF)

2020-10-21 12:03:55

nisseiキャプチャ

 

 日本生命は2021年4月から、国債を含めた全資産の運用で投資先のESG評価を考慮に入れた運用を実施する。同社の運用資産総額は約70兆円全体で民間の機関投資家としては国内最大。同社は2018年以降の自社の株投資についての内部分析で、温室効果ガス削減等の評価の高い企業株は平均よりも高いパフォーマンスを上げることを実証したとしている。そうした成果を踏まえ、株式に加え、資産運用全体にESG評価を加えることとした。日生のESG運用強化は他の機関投資家にも影響を及ぼしそうだ。

 

 同社では今回の方針について、投資リターンを高めるとともに、高いサステナビリティ業績をあげている企業向けの投融資を増やすことで、リスク軽減にもつながると位置付けている。対象とする資産は、株だけでなく、国債を含めた債券、海外投融資、不動産等を含める。

 

 ESG評価の高い投融資を進めることは、ESG評価が低い企業の株や債券の投資については、今後、原則として縮小することを意味する。このため、日生の方針は投融資先企業のESG対応を促す影響も与えそうだ。ESG評価のうちでも重視するのは、温室効果ガス削減等の環境パフォーマンス、情報開示の質、経営層のガバナンス、従業員の労働条件等になるという。

 

 投融資対象のうち、国債では外国国債の評価について、世界銀行が公表しているESG関連データを参照するとしている。また不動産についてはグリーンビルディング等の環境認証の取得物件を重視する。

 

 生保業界では、今年の初めに住友生命が2022年までに3000億円のESG投資を高めると宣言したほか、明治安田生命も5月にESG方針を設定、第一生命も4000億円のESGインデックスファンドを設けるなど、ESGシフトが広がっている。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201020/k10012672341000.html

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20201021&ng=DGKKZO65233620Q0A021C2EE9000