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天災による世界の損失、東日本大震災で過去最高の年に(AFP)

2011-07-14 23:09:09





【7月14日 AFP】再保険大手の独ミュンヘン再保険(ミューニックリー、Munich Re)がまとめた2011年前半の自然災害に関する報告によると、世界全体の死者数は例年よりも比較的少なかったものの、3月11日に起きた東日本大震災により、自然災害による1年間の経済損失は過去最高に達する見通しだ。

 同社によると、自然災害による世界の経済損失でこれまで最高だったのは、2005年の2200億ドル(約17兆4500億円)だったが、2011年は前半6か月だけでこれをゆうに上回る2650億ドル(約21兆円)となっている。

 この数字は、過去10年間の平均の5倍超、および前年2010年の1300億ドル(約10兆3000億円)の2倍にあたる。またすべての被害が保険でカバーされるわけではないが、2011年前半の損失保証額は600億ドル(約4兆7600億円)となり、2001年以降の年間平均の5倍に近い。

 さらに例年は、大西洋北部のハリケーンと、太平洋北西部の台風の影響が出る1年の後半のほうが経済損失は大きくなる。ミューニックリーは「天災がこれだけ集中して起こることは極めてまれだ」とコメントしている。

■ハリケーン・カトリーナを超える損失額

 3月11日に発生したマグニチュード(M)9.0の東日本大震災は、日本で過去最高の規模を記録したが、損失額も2100億ユーロ(約24兆円)と、2005年のハリケーン・カトリーナ(Hurricane Katrina)による米国の損失額を上回り、史上最大の損失をもたらした自然災害となった。

 一方、2011年前半の天災による死者数は、ハイチ地震で22万5000人が犠牲になった2010年前半の23万300人に対し、1万9380人だった。