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住友生命、成長分野への投融資規模を3倍増、3か年で3000億円へ。グリーンボンドやヘルスケア株を軸に(各紙)

2015-04-05 15:04:03

sumisei無題
sumisei無題各紙の報道によると、住友生命保険は2014~2016年度に予定している医療・介護や環境など成長分野への投融資額を当初計画の1千億円から3千億円に引き上げ、ヘルスケアやグリーンボンドなどに重点投資する。

 

住生が立ている成長分野への3か年の投融資計画は1千億円の計画だったが、初年度の14年だけで計画額を達成した。このため計画額を3倍増とするとともに、ヘルスケア分野での日本株ファンドや外貨建て融資に加えて、急成長している「グリーンボンド」などに重点投融資することに修正した。

 

ヘルスケアやグリーンボンドは、投融資先が限定されている半面で、それぞれ内外市場共通して成長分野となっている。従来の主力投資先の日本国債の利回りが低下し続ける環境下で、グリーンボンドなどは一定の運用利回りを確保できる市場として期待されている。グリーンボンドは、先行する日本生命が昨年来、160億円を投資しており、住生も追随する格好だ。

 

ヘルスケア分野への投資は、三井住友アセットマネジメントが設定したヘルスケアファンドへの投資額を当初の30億円から70億円に増やす。運用成績が順調なことが背景にある。同分野の医薬品や介護器具、再生医療などは、政府の成長戦略の追い風を受けて動きが活発で、それらの中から、事業規模が伸びそうな企業の株式を中心に投資する。

 

グルーンボンドへの投資も同様に、グローバルに高まる温室効果ガス削減事業需要増大を背景として、格付けの高い発行体のボンド発行が欧州中心に進んでいる。また海外でM&A(合併・買収)を展開する日系企業向けに直接、購入資金のドルを貸し付けることも検討する。この際、住友生命が為替リスクを背負うことで円建て融資よりも高い利回りを目指す。

 

生保各社は、生命保険の長期契約を前提として長期投資を運用の柱とするが、その大層を占めてきた国債投資が、日銀の金融緩和長期化の影響で利回り低下が著しく、運用収益の確保が難しくなっている。このため、住生のほか、他の生保も運用先の多様化に乗り出している。