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日本生命 世界銀行発行のサステナブル・デベロップメント・ボンド約100億円分を私募で引き受け。途上国の貧困削減、開発支援に(RIEF)

2015-12-17 11:50:57

日本生命保険は、世界銀行が発行する途上国の貧困削減、開発支援のための資金調達であるサステナブル・デベロップメント・ボンド8100万㌦(約100億円)を私募形式で引き受けた。

 

 世銀のサステナブル・デベロップメント・ボンドは、環境投融資の資金調達手段であるグリーンボンドよりも、資金使途を社会的課題などに拡大したESG投資手段。途上国の貧困削減と開発支援のために、教育、保健、インフラ、行政、農業、それに環境等の幅広い分野のプロジェクトへ資金供給するために発行される。

 

 世銀がサステナブルボンドで調達した資金の活用事例としては、たとえばアルゼンチンの地方都市の健康保険サービス拡充のため、健康保険未加盟者の子ども、若者、女性などを対象として、加盟促進の活動を展開(2011-17年)している事例がある。同事例の場合、世銀はサステナブルボンドで調達した4億㌦を貸し出している。

 

 ただ、今回の私募形式で発行されるボンドは、個別のプロジェクトに連動しているわけではなく、投資家側がプロジェクトの個別リスクを負うことはないという。

 

 日生は、今年度から進めている3カ年経営計画において、「成長・新規領域への投融資」を、3-5年の間に、1兆円積み上げる計画を立てている。このうち、グリーンボンド等、環境・社会向けの新規投資についても、1000億円分の投資を目標にしており、すでに今年の投資分だけで約400億円に達している。

 

 日生の大関洋取締役執行役員は、「高い信用力を持つ世銀のサステナブル・デベロップメント・ボンドは安全な投資であると同時に、途上国の人々の生活水準の改善に寄与する大変、有意義な投資。途上国の母子保健などを対象としたプロジェクトに日生が資金供与できることは、日生の創業の精神にも合致する」と位置づけている。

 

 また世銀駐日代表の有馬良行氏は「同ボンドは、投資を通じて、リスク、リターンの適切なバランスをとりつつ、『グローバルな社会貢献度』という新たなリターンも得ることが出来る」と評価している。

http://www.nissay.co.jp/news/2015/pdf/20151203a.pdf