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三井住友海上、あいおいニッセイ同和損保、 バイオマス発電専門の損害保険商品開発。燃料輸送時の事故も対象に(RIEF) 

2016-07-22 17:25:21

biomasキャプチャ

 MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険は、バイオマス発電事業を対象とした保険を開発、販売を開始した。

 

 新開発の保険は、「バイオマス発電総合補償プラン」。バイオマス発電を取り巻く財物損害リスク、利益損失リスク、賠償責任リスク、発電燃料輸送リスクの4つのリスクを包括的に補償する。

 

 特に、発電設備が、火災、落雷、風災などの事故によって損害を被る場合のリスクや、発電燃料の木質チップやパーム椰子殻(PKS)等の輸送中に、火災・爆発、船舶の沈没・座礁、輸送用具の衝突、雨・淡水漏れなどによる損害などが課題とされている。

 

 biomassキャプチャ

 

 発電設備の使用等が原因となって、第三者に損害や影響を及ぼした場合の損害賠償責任もカバーする。これまで太陽光発電や風力発電等の発電補償や事故補償の専業保険はあるが、バイオマス発電に絞った保険は珍しい。

 

 バイオマス発電は再生可能エネルギー発電の中でも、太陽光や風力とは異なり、気象条件によって発電量が左右されることはない。その意味で安定した発電が期待できる。ただ、発電燃料として山林の間伐材や、木材チップなどを安定的に確保できるかが課題だ。

 

 また東南アジアなどのパーム椰子殻(PKS)を原料とする大型の設備も増えているが、PKS価格市場の変動リスクや、不正伐採による場合の社会的リスクなども抱える。今回の保険はバイオマス設備に起因した第三者への事故等や燃料輸送時の事故等の損害賠償は担保できるが、燃料調達時の第三者との紛争等は対象に含まれていない模様。

 

http://www.ms-ins.com/news/fy2016/pdf/0722_1.pdf