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英・オランダ等保険会社 G20首脳会議に向け、化石燃料への政府補助金を2020年までに撤廃するよう求める共同声明。三井住友海上の英子会社も参加(RIEF)

2016-09-01 13:48:10

coalchinaキャプチャ

 

 三井住友海上火災保険の英国子会社Amlinを含む英国とオランダの合計1兆2000億㌦(約120兆円)に上る資産を抱える保険各社らが、中国・杭州で開く G20(主要20カ国・地域首脳会議)に向けて、各国による化石燃料への補助政策を、2020年までに廃止するよう求める共同声明を公表した。

 

 共同声明に参加したのは、Amilのほか、英Aviva、オランダのAegon、それに英国のアクチャリー団体のInstitute and Faculty of Actuaries (IFoA) 、再生可能エネルギー会社のOpen Energiの5社・団体。

 

 Amlinはロンドンの再保険市場ロイズで第二位のシンジケートや、スイス・バミューダの再保険ビジネス、ベネルクスでの欧州保険元受ビジネス等を総合的に展開しており、三井住友海上が昨年9月、約6350億円で買収、100%子会社とした。

 

 5社・団体の共同声明によると、G20諸国は年間合計で4440億㌦の補助金を、石油・石炭等の化石燃料産業に投じている。G20諸国は2009年に、こうした補助金の段階的廃止を明言したことがあったが、実態は補助金はほとんど削減されていない。

 

 G20に向けた金融関係機関等の活動としては、 13兆㌦(1300兆円)以上を運用する世界の130の主要機関投資家と資産運用機関等が、パリ協定の年内批准と、効果ある気候変動対策を求める連名の公開文書をすでに発表している。http://rief-jp.org/ct6/63841?ctid=69

 

 Amlinなどは声明の中で、3つの点を求めている。一つは、G20各国政府に対して、2020年までにすべての化石燃料への政府補助金を廃止する明確なスケジュールを設けること。化石燃料の掘削と石炭製造を名指ししている。

 第二は、同じく2020までに石油、天然ガス、石炭の製造に向けた国内外への公的金融の廃止のスケジュールを設定すること。例外措置は、貧困層のエネルギー使用に際して、化石燃料以外の他の代替案がない場合に限るとしている。

 第三に、こうしたスケジュールを守るためにG20諸国は2017年以降、化石燃料向けの政府補助金の状況についての明確な情報開示を実施すること。同時に、G20諸国が過半数を出資している公的金融機関や政府企業についての情報開示も求めている。

 

 AvivaのCEO、Mark Wilson氏は「気候変動はビジネスと社会にとってのすべてのリスクの根源だ。これらのリスクは化石燃料への膨大な政府補助によって、さらにエネルギー市場の需給を歪めることにつながっている。しかし、こうした補助を持続可能に続けることは不可能だ」と指摘している。

 

 こうした問題指摘をしたうえで、各国政府は、補助金を排除した化石燃料の社会に及ぼす真の影響を把握し、化石燃料の使用によって、人類が将来、支払わねば適正な価格を社会に反映させるよう、求めている。

 保険セクターは、気候変動によってビジネスリスクが増加しており、政策対応を求める動きが増加している。今回の共同声明でもG20会合の後に公表されるコミュニケに、対応策を盛り込むよう要請している。

http://www.aviva.com/

http://www.amlin.com/