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日本サステナブル投資フォーラム(SIF) 国内のサステナブル投資残高、1年で2.1倍増の56兆円に増加、と発表(RIEF)

2016-11-09 16:29:16

SIF3キャプチャ

 

 日本サステナブル投資フォーラム( JSIF )は国内の資産運用会社や資産保有機関を対象としたサステナブル投資残高アンケート結果を公表した。その結果、対象31機関のサステナブル総投資残高は56兆2566億円で、総運用資産の16.8%、前年比で2.1倍に倍増した、としている。

 

 調査は、今年9~10月に50の資産運用会社や資産保有会社にアンケートを送付、うち34社から回答を得た。回答機関の内訳は、資産保有機関が企業年金、保険会社など7社。資産運用機関が26社、両方を兼務するところが1社となっている。

 

 アンケートでは「サステナブル投資」の定義について、①地球と社会の持続可能性に配慮した投資であること、②として①の投資プロセスや社会的な効果を資金の供給者に対して開示していること、の二つを条件として問うた。

 

SIF1キャプチャ

 

 その結果、56兆2566億3200万円という回答額になったという。これに個人向けのSRIファンドなどの数字を合わせると、日本のサステナブル投資残高の合計は、57兆567億円になる、としている。資産運用会社等のサステナブル投資意識が急増した背景には、スチュワードシップコードの普及が反映したと考えられる。

 

 また運用手法ごとの投資残高では、ESG要因を投資判断に取り込む「ESGインテグレーション」手法が前回より18.9%も低下した一方で、特定業界で相対的に優れた投資先を選ぶ「ポジティブ(ベスト・イン・クラス)スクリーニング」手法が823.7%増と、大きく伸びている点が目に付く。ESG要因を厳密に評価して投資判断するよりも、相対的な評価を重視するソフトなスタンスが「サステナブル投資」として受け入れられているようにもみえる。

 

SIF2キャプチャ

 

  その点は、酒やタバコ、武器などに関連する企業を倫理的、宗教的な理由から、投資対象から除外するネガティブ・スクリーニング手法の比率が、50.8%と急減していることでも伺える。ただ、欧米では同手法はサステナブル投資の一つの柱となっている。

http://japansif.com/161108.pdf