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日本生命 フランスのグリーンボンド国債を約100億円分購入。ESG債投資総額1600億円に。年内に2000億円突破も(RIEF)

2017-02-08 18:16:50

nisseiキャプチャ

 

 フランス政府が先月発行した初のグリーンボンド国債は、投資家の需要が高く、過去最大の70億ユーロ(約75億㌦)となったが、その中で日本生命保険が同国債を約100億円分購入していたことがわかった。日生はグリーンボンドを含めたESG債へ積極投資を進めており、累計のESG債投資額は1600億円規模に膨らんでいる。

 

 フランスのグリーンボンド国債(グリーンOAT)は、期間22年という長期で、クーポンレートは1.75%。債券格付けは通常のフランス国債と同様にMoody’sからAa2、S&PとFitchからAAを取得。グリーンの評価については国際的な基準であるグリーンボンド原則(GBP)に準拠し、ESG評価会社のVigeo eirisからセカンド・オピニオンを取得している。

 

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  同国債には、発行額の3倍以上の応募があり、主要国の大手金融機関が購入先として選ばれた。日本生命は、日本の金融機関への割り当て分のほぼ半分を購入したという。日本以外ではAXA、BNPパリバ、クレディ・アグリコル、Amundiなどフランスの主要金融機関のほか、米国のBlack Rock,JP Morgan Asset Management、英国のBarclays Treasury、Standard Life Investments、オランダのKempen Capital Management、APG Asset Management などが購入先で、環境NGOのWWF Franceも投資した。

 

 日本生命はこれまでも、パリ市やロンドン交通局発行のグリーンボンドのほか、インド、チリなどでの女性活躍支援のESG債などを積極的に投資対象に加えている。一般社団法人環境金融研究機構(RIEF)の2016年のサステナブルファイナンス大賞でも、昨年末で、「ESG債投資1000億円超過」したことが評価されて優秀賞を受賞した。すでにそこから6割以上も投資額を積み上げたことになる。

 

 今後は、市場動向次第だが、グローバル市場でのグリーンボンドの発行が昨年来、増加基調をたどっているほか、直近の長期金利上昇の動きなどから、ESG債投資がさらに増加する環境が整いつつあるともいえる。

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