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太陽光発電の日照不足も補償する新型保険。ドイツ系のHDI Global保険が提供。日照補償は日本では初めて(RIEF)

2017-06-01 16:49:59

solarキャプチャ

 

 ドイツ系の法人向け保険会社HDI Global 保険(本社:ドイツ)は、太陽光発電の日照不足による売電収入の減少も補償する「太陽光発電収益補償保険」の販売を開始した。太陽光発電事業者および投資家を対象に売り出す。日照不足も保険対象する保険は、日本では初めてという。

 

 HDI はドイツを中心に欧州全域で、企業向けの保険サービスを展開している。日本市場には、1988年から、賠償、財物、海上、エンジニアリング、ファイナンシャルプランなどの特定分野に特化した保険を提供している。再生可能エネルギー分野もそのひとつ。

 

 今回、販売を開始した「太陽光発電収益補償保険」は、太陽光発電事業に特有のリスクを、総合的に補償するのがコンセプトだ。太陽光発電の成否のカギを握るのが日照の確保。保険期間内の実際の年間売電収入が予想年間売電収入の90%未満になり、かつ、その減収の原因が日照不足であるか、あるいは収益減少補償特約(「Revenue Shortfall Extension)」で補償されるものに該当する場合、支払いの対象になる仕組みだ。

 

 太陽光発電事業では、多くがプロジェクトファイナンス方式で、長期的な売電収入の確保を前提として金融機関から事業融資を受ける。この場合に、日照時間の不足による売電収入の減少が将来、予想されるケースでは融資を受けられない可能性が高まる。しかし、従来の日本の太陽光発電向けの保険では、こうした日照不足による減収をカバーする仕組みはなかったという。

 

 HDIの新保険は、日照不足の補償のほか、日本の太陽光発電で起きがちな、地震や雹(ひょう)災、風災などの自然災害の被害も補償する。また基本補償では、太陽光発電設備の電気的・機械的な事故による財物損害および利益損害もカバーする。機械設備の想定外の劣化や、機器の欠陥などによる収益減少も補償する。

 

 同社では「シンプルでわかりやすい補償」としてアピールしている。HDI 日本支店の代表者 ウヴェ ・ シーヴェス氏は「新たな保険ソリューションは、太陽光発電事業特有のリスクを補償するために設計し、従来の保険商品では補償できていなかったリスクをカバーできる。この新商品により、日本における太陽光発電事業の更なる成長をサポートしていきたい」と述べている。

 

 同社はドイツの保険大手のタランクスグループの産業・法人向けサービスを担当している。同部門は3000人以上を抱え、2016年の総収入は約43億ユーロ(約5060億円)。タランクスグループはS&PからA+/安定(強)の格付けを得ている。フランクフルト、ハノーバー、ワルシャワの各証券取引所に上場している。

https://www.hdi.global/downloads/JP_jp/20170525%28Japanese%29NR_HDI-Japan_Solar-Revenue-Shortfall_Insurance.pdf