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MS&ADグループの三井住友海上と、あいおいニッセイ同和損保が、台風や洪水の自然災害リスクを担保する3億2000万㌦分の「キャットボンド」発行(RIEF)

2018-04-05 08:12:34

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   MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険は、国内の台風や洪水等の自然災害リスクを対象とする大災害債(通称、キャットボンド)「Akibare Re 2018-1」を3億2000万㌦(約339億円)、期間4年で、内外の機関投資家向けに共同発行した。 国内の台風リスクに加え、損害保険業界で初めて洪水リスクも対象とした。

 

 キャットボンドはCatastrophe Bondの略称。保険の引き受けリスクを資本市場の投資家に転嫁するため、引受保険を担保として債券(キャットボンド)を発行する仕組み。保険会社は通常、引き受けた保険を再保険市場で保険会社同士でリスクカバーするが、大規模な災害のリスクは保険だけでは引き受けきれないことから、債券化して機関投資家等に販売する。

 

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 MS&ADグループでは、温暖化の進行で気候変動が年々高まっていることに対応して、自然災害リスクをカバーするキャットボンドを発行することにした。発行する「Akibare Re 2018-1」のうち三井住友海上分は、地震や火山の噴火、これらによる津波を原因として発生する火災等によって、一定割合以上の損害が発生した場合に支払う地震火災費用のリスクもカバーする。

 

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 「Akibare Re 2018-1」は、英領バミューダに設立した特別目的会社の「Akibare Re Ltd.」を 通じて発行された。ボンドは、三井住友海上分の2億2000万㌦(ClassA)、あいおいニッセイ同和損保分の1億㌦分(ClassB)に分かれている。対象となる国内での自然災害によって生じた損害があらかじめ設定した条件を超過した場合、その超過額に応じて投資家へ償還予定の元本の一部または全部を、再保険金として充当する。

 

 投資家に支払う配当相当分は固定部分とリスクの顕在状況に応じた変動部分に分かれる。固定部分の利回りは1.90%。キャットボンドとしては比較的低い水準となっている。三井住友海上にとってキャットボンドの醗酵は4回目、あいおいニッセイ同和損保は初めての発行となった。

 

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 MS&ADグループは、今後も再保険やキャットボンドの適切な活用を通じて、 自然災害リスクの管理体制を強化し、経営の健全性向上に努めていく、としている。

 

http://www.ms-ad-hd.com/news_topics/pdf/180404_AkibareRe_hd.pdf